#商標出願の方法・費用
公開日:
2025/04/30
更新日:
2026.07.01

その商品の商品名やロゴなどを商標登録するかどうか検討する場合があります。この際に自分で商標登録出願手続する場合と専門家に依頼するのではどのようなメリット・デメリットがあるか分らないという方も多いでしょう。
本記事では、商標登録出願手続を自分でやる場合と専門家に依頼する場合のメリット・デメリットについて解説します。

商標登録出願の方法としては大きく分けて以下の3つがあります。
一つ目は、弁理士などの専門家に出願手続を依頼する方法です。この方法のメリットは、出願内容に関するアドバイス、出願書類の作成、特許庁への出願手続、拒絶理由通知への対応など、出願から登録までの手続の依頼が可能な点です。なお、これらの手続ごとに弁理士報酬が発生する可能性もあるため、事前に見積を依頼して費用面は確認しておきましょう。
必要な手続について一括して依頼でき、専門家の知見や出願すべきかどうかのアドバイスも受けることができますが、弁理士報酬が生じる点は留意しておきましょう。
また、商標権の存続期間は登録時から10年間ですが、更新することで半永久的に存続させることができます。そのため、商標登録後10年または5年ごとに発生する更新手続を相談・依頼することができる点でもメリットがあります。
二つ目は、出願人自らが自分で出願する方法です。この場合、出願人が法人であれば法人、出願人が個人であれば個人が、出願手続を行うことになります。自分で出願する場合には出願書類の作成、特許庁への出願手続、拒絶理由通知への対応など、出願から登録までの手続を自分でする必要があります。
出願の方法はオンライン出願または紙で作成した出願書類を特許庁に提出することによって行います。いずれも、特許庁に納付する出願料がかかりますが、紙での出願の場合には、さらに電子化手数料の納付も必要です。
自分で出願する方法のメリットは、すべて自分で作業する必要があるが弁理士報酬が発生しないので、費用を安く抑えることができる点です。
自分で出願する方法は、その後も商標出願する可能性がある場合や、複数件数出願する場合、複数区分出願したい場合など出願のボリュームが大きくても費用を抑えることができる点が魅力です。
三つ目の方法は、企業や特許事務所が運営しているオンライン出願サービスを利用する方法です。この方法は、Webサイト上で必要な情報を入力することで、比較的簡単に出願手続を進められるサービスで、弁理士が関与・監修を行っており、提携しているものもあります。また、出願や登録の手続自体は提携弁理士がやっているケースもあります。
Webサイト上の手続きにより効率化を図ることで、専門家に直接依頼するよりは安い価格になっていることが多いのがこの方法のメリットといえるでしょう。
では、弁理士などの専門家に依頼する場合にはどのようなメリット・デメリットがあるでしょうか。
弁理士に手続を依頼する場合、商標登録出願に関する手続・対応を専門家に任せることができる点が最大のメリットです。また、専門家のアドバイスが得られることで安心感もあります。例えば、事業内容などから適切な出願内容となっているか、長期的な商標戦略など様々な事項について相談できます。登録期間の更新時の手続の相談をすること、拒絶理由通知への対応についても相談ができます。
このように弁理士に依頼するのは費用面よりも、確実性や商標登録の手間の削減、海外での展開予定や専門的なアドバイスが必要となる場合にはメリットが大きいと言えるでしょう。
他方で弁理士に依頼するデメリットとしては費用が高くなることが挙げられます。特に弁理士報酬は出願時、拒絶理由通知対応時、登録時のそれぞれで費用がかかる場合があります。
その他のデメリットとしては、手続を全て弁理士に任せることになるため、自分のノウハウにはならない可能性もあります。さらに、将来も継続的に商標を出願する可能性がある場合には、その都度報酬が発生するため割高になる可能性もあります。
商標戦略が明確で商標を使用する商品やサービスがすでに決まっている場合では、費用との兼ね合いから弁理士に依頼する方が、デメリットが大きくなる可能性もあります。
では、自分で出願する場合にはどのようなメリット・デメリットがあるでしょうか。ここでは自分で出願する場合のメリット・デメリットについて解説します。
自分で出願することの一番のメリットは、弁理士報酬が生じないため費用を節約することができる点が挙げられます。ただし、費用のうち特許庁に納付する出願料や設定登録料は必ず必要になるため、この部分の費用は節約できません。
今後も出願する可能性がある場合には、出願に当たって勉強したことが自分のノウハウになるため、次回以降の出願にも役立てることができるといったメリットもあります。
また、出願内容に拒絶理由が発見されない場合にはそのまま商標登録を受けることができます。このような場合には、拒絶理由通知対応の手間の負担がかからない可能性もあるため、このようなケースでは自分で出願するメリットがあります。
とにかく、コスト面を最優先したい人や、自分で調べる時間と知識がある場合には自分で出願する方法が向いています。
自分で出願するデメリットとしては、自分で調べ手続をする必要があるため、時間がかかる点が挙げられます。そのため、節約できる費用とかかる時間とを総合的に考えるとコストパフォーマンスが悪くなる可能性がある点です。
専門知識がないため、書類の記載不備や手続き上のミスにより、出願が却下されたり、拒絶理由通知に対して適切な対応が取れず商標登録までに時間がかかった結果、専門家に依頼した場合と比較して時間が大幅にかかってしまうというケースは十分に想定できるところです。特に拒絶理由通知がなされた場合のように、専門知識が必要な対応や手続きが必要な場合には、自分の知見やリソースでは対応しきれず、最終的に専門家に相談・依頼することになってしまい当初の想定より費用がかかってしまうといった可能性も考えられます。
また、商標戦略に照らした適切な出願内容について相談したい場合や、商品やサービスの区分の確認が難しいケース、先行する商標に類似する商標がある可能性が高いケースなどでは、専門家の知見が必要不可欠となることから、自分で手続をするのには向かないケースといえるでしょう。こういったケースでは自分で手続を行って取得した商標権が自身の商品やサービスを保護するのに適していないケースも考えられるため、専門家に相談した方が良いでしょう。
最後にオンライン出願サービスを利用するメリット・デメリットについて解説します。
弁理士などがサービスの監修をしているケースも多いため、一定のクオリティが担保されている一方で、金銭面で弁理士に直接依頼するよりは安く抑えることが可能な点がメリットとして挙げられます。なお、安く抑えることができるのは報酬の部分のみであり、出願料や設定登録料などは安くできません。また、オンライン出願サービスは料金体系がパッケージ化されていることが多いため、明確となっており予算を立てやすいのも魅力です。このように料金が明確となっているため、弁理士など専門家との打ち合わせや見積もりなどの手間がかからないというメリットもあります。
なお、追加の手続が生じた場合などのケースでオプション料金がかかることもありますが、自身で対応の難しい専門家に依頼するような手続・作業を依頼することも可能な場合があるため、自分一人では対応が難しい手続にも適切に対応してくれることが期待できます。
オンライン出願サービスは、システム化されているため、情報の入力から出願までのプロセスがスムーズに可能となっており、入力の手間の負担もそれほど重くないのもメリットです。これらのオンライン出願サービスは、コストを抑えつつ、ある程度専門家のサポートを受けたいといったケースに向いているサービスといえるでしょう。
オンライン出願サービスは定型的なフォーマットに入力をしていくだけになるため、商標権取得のための手続について自身のノウハウとするのは難しい点が挙げられます。また、将来も継続的に商標を出願する可能性がある場合には割高になる可能性もあります。
最初から専門家に依頼するケースと比較すると、自分でコストパフォーマンスを考え、オプションサービスの要否を判断する必要があるため、ある程度知識を有しており、自分で判断ができる人に向いたサービスといえるでしょう。また、オンライン出願サービスの利用に当たってはサービス運営側の提携弁理士とのやりとりが発生することもあるため、こういった点からもある程度知識を有している必要があるといえるでしょう。
他方で、シンプルな商標権で、追加での手続が特に必要無いケースでは専門家によるサポートのオプションサービスなども不要となるため、こうしたオンライン出願サービスを利用するよりは自分で手続を行なった方が良いという考え方もあります。
商標登録は自分で手続を行う事も可能ですが、登録した商標の範囲が自分のビジネスを守るのに不適切になってしまうリスクもあります。他方で、自分で手続を行なえば、弁理士報酬を抑えることができるため、安価に商標権の登録が可能となります。
本記事を参考にそれぞれの方法のメリットとデメリットを検討した上で、どの方法を用いるべきか検討した上で方法は選ぶようにしましょう。
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