#商標出願の方法・費用
公開日:
2025/08/26
更新日:
2026.08.04

商標登録は、事業者が自己の「商標」を、法律で守るために特許庁に出願し登録することです。商標が登録され「商標権」が付与されると、指定した商品や役務(サービス)についてその商標を独占的に使用できるようになり、商標権を侵害した第三者に対しては損害賠償請求や差止請求なども可能になります。
商標の出願方法はインターネットを利用した「オンライン出願」と、「書面出願」の2種類がありますが、本稿ではオンラインで表現するのが難しい特殊な商標やコンピュータが苦手という方、インターネットの利用が難しい方のために「書面(紙)出願」を対象に、注意すべき重要なポイントを分かりやすくに解説します。
書面での商標出願は、念入りに調べて時間をかけて作成すれば、経験のない方でも十分可能です。ただし、そのためにかかる時間、間違ってしまう可能性を考えるとコスパの良い方法ではないかもしれません。
GVA 商標登録なら、出願する商標と商品・役務(サービス)で検索し、フォームの案内に沿って出願者の情報を入力することで、自分で書類を作成できます。郵送出願や特許印紙の購入までサポートするオプションも用意しています。労力をかけずに商標登録してみたいという方におすすめのサービスです。

まず、商標の役割や商標出願に関する基本的な概念と、書面出願の特性について解説します。
商標とは、事業者が自己の取り扱う商品や役務を他社のものと区別するために付されるマーク(識別標識)のことで、商品や役務に対する信用の積み重ねとともに商標に対する好感度や信頼感も向上します。その結果、消費者や取引先は商標を目印に商品や役務を選択するようになるため、商標登録によって付与される「商標権」はブランド戦略においては非常に重要な知的財産権となります。
商標として登録できるのは、文字や図形以外にも以下に記載した様々な種類の商標があります。
文字商標:カタカナ、ひらがな、漢字、ローマ字、数字等
図形商標:図形のみから構成されるもの
記号商標:のれん(暖簾)記号、図案化した文字からなる記号、記号的な紋章
立体商標:立体的形状からなるもの
総合商標:文字、図形、記号、立体的形状等の組み合わせ
音商標:音楽、音声、自然音等からなるもの
色彩のみからなる商標:単色や複数の色彩の組み合せで、輪郭なく使用できるもの
ホログラム商標:文字や図形等がホログラフィーその他により変化するもの
位置商標:図形等を商品等に付す位置が特定されるもの
動き商標:文字や図形等が時間の経過で変化するもの
特許庁では、1990年から電子出願を開始し、2005年からはインターネットによる電子出願システムを導入しています。現在では特許庁への出願等の手続きの約94%※は電子出願で行われているので、商標出願においてもオンライン(電子出願)が主流になっています。しかし、オンラインで表現するのが難しい特殊な商標やインターネット環境がない場合などに書面出願が選択されることがあります。
参照:特許庁|電子出願の現状と仕組み
パソコン、インターネット環境などは不要
パソコン購入代やインターネット回線料などは不要
出願ソフトのダウンロード、セットアップ、申請人利用登録などの面倒な作業は不要
手書きでじっくりと願書を作成できる
書面を電子化するための手数料が別途必要
出願書面の郵送料などが必要
書類を電子化するため、審査開始までの時間がかかる
様式の不備による不受理のリスクがある(電子出願では書式の自動チェック機能があるのでリスクを軽減できる)
以上の点を踏まえ、書面出願では特に正確性や慎重さが求められます。
商標出願の成否は出願前の準備でほぼ決まります。その中でも、以下の3項目は商標の審査結果に大きな影響を与える最も重要なステップです。
いくら時間と手間をかけて考えた商標でも、他人が既に同一または類似の商標を登録していれば、登録できないだけでなく、無断で使用すると他人の商標権を侵害するリスクが生じます。商標登録の可能性を高め不要なリスクを回避するには、出願前の商標調査は欠かせません。自身で商標調査を行う場合には、無料で商標検索などができる特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」※の利用をおすすめします。
参照|「J-PlatPat」https://www.j-platpat.inpit.go.jp
商標調査のポイント
商標×商品・役務 の調査
商標権は「商標」と使用する範囲「商品・役務」の組合せから構成される権利なので、使用範囲をある程度絞り込んで調査する必要があります。その際に、類似の商標および類似の商品・役務のチェックも不可欠です。
称呼×商品・役務 の調査
商標の類似性は(1)称呼(読み方)、(2)外観(見た目)、(3)観念(意味)から総合的に判断されますが、中でも称呼は商標審査において特に重要視されているので「類似の称呼」および「類似の商品・役務」のチェックも不可欠です。
商標権の効力は、出願時に指定した「商品」または「役務」の範囲に及ぶので、選定を誤ると自社のビジネスの実態に合わない不十分な権利となる可能性があります。また、商標審査においては次の2要件を満たしていない場合には拒絶の対象となるので注意が必要です。
商品・役務の選定ポイント
政令で定める商品・役務の区分に従って商品・役務を指定していること
政令では、商品・役務を一定の基準によってカテゴリー分けし、第1類から第45類に分類しているので、その中から使用を予定している商品・役務が属する区分(類)を選定します。類似の商品・役務については特許庁の指針「類似商品・役務審査基準」※を参照し指定しましょう。
※特許庁「類似商品・役務審査基準」 https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/trademark/ruiji_kijun/index.html
指定された商品・役務の内容及び範囲が明確であること
商標権の権利範囲を決定する指定商品・指定役務は明確であることが求められるので、「第2類 全ての商品」のように例示されているもの以外に多数ある場合には、出願書類に具体的な商品の記載が必要になります。
商標は、事業者が自己の取り扱う商品や役務を他人のものと区別する(識別する)ために使用されるものです。そのため、「識別力」を持たないと判断される商標は登録されません。出願商標を決定する際には、当該商標が「識別力」を有しているか否かを最初に確認する必要があります。
識別力がない商標の類型
品・役務の普通名称:コンピュータ、損保、スマホなど
商品・役務の慣用商標:純正部品、正宗(清酒の名称)、観光ホテルなど
産地や品質表示等のみからなる商標:東京銀座、特別仕立、外科など
ありふれた氏・名称:田中株式会社(社名)、フランス(地理的名称)、製薬(業種名)など
極めて簡単で、ありふれた商標:AB、エイビー、〇、△、□など
客観的にみて識別力がないと判断される商標
準備が整ったら、いよいよ願書を作成し出願手続きを行いますが、願書の書式は次のサイトからダウンロードできます。
参照|独立行政法人工業所有権情報研修館「各種申請書類一覧(紙手続の様式)」
商標登録願(願書)は、特許庁が定める所定の様式に従って作成します。手書きの場合でも、楷書体で丁寧に、判読しやすい字で記載することが必須です。
主な記載事項と注意点
1,【書類名】:「商標登録願」と記載
2,【整理番号】:大文字のローマ字、アラビア数字などの組合せで自由に記載できる
3,【提出日】:特許庁の窓口に提出する場合はその提出日、郵送の場合は投函日を記載
4,【宛先】:「特許庁長官」と記載
5,【商標登録を受けようとする商標】:大きさ8㎝平方の商標記載欄(四角い枠線)の中
に、商標登録を受けようとする商標を直接記載し、特に必要があるときには、15cm平方までの大きさとすることが可能。ただし、特殊な商標については特許庁の「出願の手引き」などを参考に対応。
6,【指定商品又は指定役務並びに商品及び役務の区分】:以下の要領で記載
【第〇〇類】:特許庁の「類似商品・役務審査基準」に従い該当する区分の番号を記載
【指定商品(指定役務)】:商品(役務)の内容・範囲を明確にできる表示を記載
例えば、居酒屋の場合には次のようになります。
【第43類】
【指定商品(指定役務)】飲食物の提供
※指定商品(指定役務)が複数ある場合には、同様に、区分の番号と指定商品(指定役務)を繰り返し記載
7,【商標登録出願人】:以下の要領で記載
【識別番号】:特許庁から識別番号の通知を受けている場合のみ記載
※初めて出願する場合には、この欄は不要
【住所又は居所】:○○県○○市○○町○○丁目○○番○○号のように詳しく記載
【識別番号】を記載した場合には、この欄は省略可能
【氏名又は名称】:個人の場合は氏名、法人の場合は法人名を記載
【代表者】:法人の場合のみ必要
【国籍・地域】:外国人(法人)の場合のみ記載し、【住所又は居所】と同一の場合には
この欄は不要
8,【代理人】:弁理士などの代理人に依頼する場合に記載
書面出願の場合、出願手数料は特許印紙を購入し出願書類に貼付し納付、電子化手数料は出願書類等提出後に「一般財団法人工業所有権電子情報化センター」から送付される電子化手数料の払込用紙を用いて納付します。
書面出願における出願書類の提出は、①受付窓口への持参と②郵送の2つの方法があります。
1,受付窓口への持参する方法:特許庁出願課出願受付へ直接提出
2,郵送する方法:宛名面(表面)余白に「商標登録願 在中」と記載し、できるだけ書留・簡易書留郵便・特定記録郵便で郵送
商標は、自社ブランドのシンボルであり、その登録は事業の未来を左右する重要なプロセスです。書面での商標出願は、その手続きや書式の正確性が特に問われるので、わずかな
不備が権利取得の機会を奪い、大きな損失に繋がりかねません。
本稿で解説した「出願前の商標調査」「商品・役務の選定」「出願商標の識別力の確認」「願書作成の注意点」は、商標登録の成功に向けた必要不可欠な要素です。
ご自身の力で書面出願を進めることも可能ですが、その複雑さと潜在的なリスクを考慮すれば、専門家である弁理士のサポートを得ることが、費用対効果の観点からも最も賢明な選択と言えるでしょう。強固な商標権を確立し、貴社のビジネスを確実に未来へ繋げていくためにも、商標出願には万全の体制で臨んでください。
福岡食品株式会社 代表取締役 田島様は、GVA 商標登録を利用して、自分で書類を作成して出願をされています。詳しくは以下からご覧ください。


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