#商標の種類・具体例
公開日:
2026/03/03
更新日:
2026.08.04

自社の商品やサービス、お店の看板を守るために商標登録を検討し始めて最初にぶつかる壁が「商標の種類をどれにするか?」です。
一般的に「商標」と聞くと、誰もが知っている有名チェーン店の看板や、スポーツブランドのマークを思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、実際に手続きを調べ始めると、「文字商標」や「図形商標」「ロゴ商標」といった言葉が出てきて、自分の場合はどれで登録すべきなのか迷ってしまうかもしれません。
本記事では、これから商標登録を検討する個人事業主や中小企業経営者の方に向けて、一般的にイメージされやすいロゴ商標について、似た概念である「図形商標」との違いについて、文字商標とも対比しながら解説します。

商標制度において、最も基本的・代表的な商標の種類として「文字商標」と並んで挙げられるのが「図形商標」です。
図形商標とは、その名の通り「図形」や「イラスト」「記号」、あるいは「文字を特殊なデザインで装飾したもの」から構成される商標のことです。単なる文字の羅列ではなく、視覚的なデザイン性やインパクトによって、消費者に「あ、あの会社の商品だ」「あのブランドのお店だ」と認識させる役割を持っています。
図形商標は、構成される要素によって主に以下の3つのパターンに分けられます。
文字を一切含まず、純粋な図形やイラストだけでブランドを表現する商標。
アップル(Apple): かじられたリンゴのシルエットマーク
ナイキ(NIKE): 「スウッシュ」と呼ばれる、躍動感のあるチェックマークのような図形。
ヤマト運輸: 親猫が子猫をくわえて運んでいる、おなじみのクロネコのマーク。
社名やサービス名の文字自体に独自のデザインを施し、図形のように見せているものです。これがいわゆる「ロゴ商標」と言われるものになります。
マクドナルド(McDonald's): 「M」のアーチロゴ(※元々は店舗の建築デザインに由来しますが、文字を図案化したものとして広く認知されています)
ユニクロ(UNIQLO): 赤い正方形の中に、白抜きで特徴的なフォントのカタカナやアルファベットが配置されたマーク。
グーグル(Google):青、赤、緑、黄色の各色の文字で構成されたロゴマーク
イラストなどの図形要素と、ブランド名の文字要素を組み合わせて一つのマークとしたものです。
スターバックス(Starbucks): 緑色の円形の中に描かれたギリシャ神話の「セイレーン(人魚)」の図形と、「STARBUCKS COFFEE」という文字が組み合わさったマーク。
マスターカード(Mastercard):赤と黄色の重なり合う2つの円に「Mastercard」の文字が組み合わさったマーク
ケンタッキーフライドチキン(KFC):カーネル・サンダースの似顔絵イラストの下に「KFC」の文字を配置したマーク。
このように、私たちが日常的に街中や商品パッケージで目にし、視覚的なデザインとして記憶しているマークの多くは、法律上「図形商標」(または図形と文字の結合商標)として登録、権利化されています。
商標について調べていると、その種類の一つとして「ロゴ商標」という言葉をよく目にするかと思います。結論としては、図形商標の代表的な一つが「ロゴ商標」に当たります。
実は、日本の商標法という法律の中には「ロゴ商標」という明確な分類(条文上の言葉)は存在しません。法律上は「文字商標」「図形商標」「記号商標」「立体商標」などに分類されます。
私たちが日常的に「ロゴ」や「ロゴマーク」と呼んでいるものは、デザイナーが社名やサービス名を独自のデザインフォントで装飾したもの(ロゴタイプ)や、会社のシンボルとなるマーク(シンボルマーク)、あるいはその両方を組み合わせたものです。
これらを商標登録しようとした場合、単なる文字情報はなく、視覚的なデザイン性が付加されているため、特許庁の分類上は「図形商標(文字を図案化したもの、あるいは図形と文字の結合)」として扱われることになります。
つまり、「図形商標」という大きな概念の中に、ビジネスシーンでよく使われる「ロゴ商標」が含有されている、というイメージになります。
前述のとおり、日本の商標法において「ロゴ商標」という独立した分類は存在しません。ロゴ商標は「図形商標」という大きな枠組みの中に含まれる一つの概念であり、特許庁への出願上、独自のフォントでデザイン化された文字やマークは、すべて「図形商標(または図形と文字の結合商標)」として扱われます。
では、純粋な「図形のみの商標」と、文字がデザインされた「ロゴ商標」では、効果にどのような違いがあるのでしょうか。
それは「文字情報をカバーできるかどうか」という点です。
図形のみの商標は、あくまで「見た目のデザイン(外観)」だけを保護します。一方、社名などの文字を含むロゴ商標は、視覚的なデザインを保護すると同時に、そこに書かれている「文字の読み方(称呼)」に対しても権利を主張できるというメリットがあります。
つまり、文字情報を含むロゴ商標を取得すれば、一つの出願で「デザインの模倣」と「同じ名前の無断使用」の両方をある程度カバーできるため、コストパフォーマンスが高いと言えます。
自社のブランドを保護する際、「文字商標」と「図形商標(ロゴ商標)」のどちらで登録すべきか迷うケースは非常に多いです。この2つの最大の違いは、「何を権利として保護するか(権利の及ぶ範囲)」にあります。
文字商標は、言葉の「響き」と「意味」を守ります。
文字商標は、標準的な文字(特許庁が定めた標準文字など)で登録を行います。デザイン性は一切保護されませんが、その商標の「読み方(称呼)」と「意味合い(観念)」を強力に保護できるのが特徴です。 例えば、「サントリー」という文字商標を登録していれば、他社が明朝体で書こうが、ポップな筆文字で書こうが、英語で「SUNTORY」と書こうが、同じ読み方をする商標の使用を幅広く防ぐことができます。ロゴデザインが将来的に変更されても、名前自体が変わらなければ権利は維持されるため、非常に汎用性が高く、まずは最優先で取得すべき基本の商標です。
図形商標は「見た目」のデザインを守ります。
図形商標(ロゴ商標)は、登録された「視覚的なデザイン(外観)」そのものを保護します。 文字商標では防ぎきれない「読み方は違うけれど、パッと見た時のマークのデザインがそっくり」といった模倣に対して強い効力を発揮します。
ただし、登録した特定のデザインに対する権利となるため、将来的にロゴのカラーやデザインを大幅にリニューアルした場合は、古いロゴの商標権では新しいロゴをカバーしきれず、再度登録し直す必要が出てくる可能性があります。このような場合は前述の文字商標を登録しておくことで外観と意味合いの両方をカバーすることができます。
もしすでにサービスを提供されているなら、まずはお客様が「名前(文字)」で認識しているのか、「看板やマーク(図形・ロゴ)」で認識しているのかを振り返ってみましょう。図形(ロゴ)のみを登録するというケースは少ないですが、文字商標に加えて図形(ロゴ)商標を登録しておくことが効果的かどうか?はイメージしやすいかもしれません。
なお、ロゴ商標については下記の記事も参照にしてみてください。
株式会社SEIUN Partners 代表取締役 髙取 丈夫様は、GVA 商標登録を利用して、自分で書類を作成して出願をされています。詳しくは以下からご覧ください。
ブランドを長く育てていくために、ロゴと文字の両方を守る必要があると考え、セットで購入しました


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