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#商標出願の方法・費用

商標の登録査定後にかかる費用を節約する方法

公開日:

2025/10/30

更新日:

2026.06.30

商標登録は、事業のブランドを守るための大切なステップです。審査には数ヶ月から一年以上かかることもあり、特許庁から「登録査定通知」が届いたときは、多くの起業家や事業責任者にとって安心と喜びがこみ上げる瞬間です。自社の名前やロゴ、サービスマークが法的に保護される道筋が立ち、事業の成長における一つの節目となります。

ただし、登録を完了させるには「登録料の納付」が必要です。この手続きは単なる事務処理と思われがちですが、選ぶサービスによって費用に差が出ることがあります。

登録時にかかる費用は大きく分けて2つ。1つは、特許庁に納める「印紙代」で、これはどのサービスを使っても同じ金額です。もう1つが、手続きを代行する特許事務所やオンラインサービスに支払う「サービス手数料」。この手数料はサービスによって大きく異なり、数万円の差が出ることもあります。

この記事では、登録査定後に発生する費用の内訳をわかりやすく整理し、主要なオンライン商標登録サービスの料金を比較・分析します。サービスごとの特徴を理解し、ご自身の事業に合った納得のいく選択ができるよう、判断材料を提供します。

第1章 商標登録における「登録査定後費用」の構造分析

商標権を正式に取得するための最終費用を理解することは、コストを最適化するための第一歩です。この費用は、性質の異なる二つの要素で構成されています。まずは、その基本的な構造を正確に把握し、どこにコスト差が生まれるのかを見極めましょう。

1.1 回避不可能な固定費:特許庁印紙代

登録査定後に支払う費用のうち、根幹をなすのが特許庁に納付する印紙代です。これは商標権を国に登録するための手数料であり、いわば公的な税金のようなものです。したがって、どの代理人やサービスを利用したとしても、この金額自体は変わりません 。

特許庁は、納付方法として2つの選択肢を用意しています 。

  1. 10年一括納付: 権利の存続期間である10年分を一度に支払う方法。費用は「区分数×32,900円」です 。

  2. 5年分割納付(分納): まず前期5年分を支払い、5年後に後期5年分を支払う方法。1回あたりの費用は「区分数×17,200円」です 。

一見すると、初期費用を抑えられる5年分納は魅力的に映るかもしれません。しかし、ここには長期的な視点で見ると考慮すべき点が二つあります。

第一に、10年間のトータルコストです。5年分納を選択した場合、10年間での合計印紙代は「17,200円×2回=34,400円」となり、10年一括納付の32,900円よりも1,500円高くなります 。

第二に、5年後の後期納付時に発生する可能性のある追加の代理人手数料です。後期分の納付手続きも代理人に依頼する場合、別途サービス手数料が請求されるのが一般的です 。この手数料はサービスによって異なります。

したがって、事業の継続性や管理の手間、総コストを総合的に考慮し、自社にとってどちらが合理的か判断することが重要です。

1.2 コスト差の源泉:代理人サービス手数料

コスト差が生まれる最大の要因が、特許庁印紙代とは「別」に発生する代理人のサービス手数料です。これは、出願人が特許庁に直接支払うのではなく、代理人が納付手続きを代行する「サービス」に対して支払う報酬です。この手数料は各サービスのビジネスモデルによって価格が大きく異なり、数万円単位の差が生まれます。

この手数料は、サービスによって様々な名称で呼ばれています。

  • 登録手数料

  • 成功報酬

  • 登録料納付手数料

  • 登録手続き料金

例えば、「成功報酬0円」と謳っていても、実質的に同義である「登録手数料」が別途設定されているケースがあります 。成功報酬とは「商標登録に成功した場合にのみ発生する報酬」を指しますが、「登録手数料」も登録査定という成功が確定した後に支払う費用であるため、機能的には同じです。日本弁理士会の調査によれば、この成功報酬(またはそれに類する手数料)の平均額は約45,000円にも上り、決して無視できないコストです 。

利用者は、手数料の「名称」だけでなく、その本質、すなわち「登録査定後、権利化のために特許庁印紙代とは別に代理人へ支払う費用の総額はいくらか?」という点に着目して比較検討することが重要です。

第2章 主要オンラインサービスの査定後手数料を比較

それでは、実際に主要なオンライン商標登録サービスが、登録査定後にどれだけのサービス手数料を設定しているのかを具体的に見ていきましょう。ここでは、各社が公表している料金データを基に、その実態を客観的に整理します。(料金は1区分・税込を基本とします)

  • Cotobox:
    「成功報酬0円」を明記していますが、別途「登録手数料」として16,500円が必要です 。

  • Amazing DX:
    「登録手数料」として16,500円を設定しています 。料金表では5年登録を基準に表示されることがあるため、10年登録を検討する際は総額を確認する必要があります 。

  • Toreru:
    初回登録時の手数料は0円です 。ただし、5年分納を選択した場合、5年後の後期納付手続きの際に10,780円のサービス手数料が発生します 。

  • Rakuny:
    「登録手数料」として27,500円を設定しています 。

  • Brandock:
    「登録手続き料金」として、登録期間によって手数料が変動します。5年登録の場合は24,200円、10年登録の場合は33,000円です 。

  • Smarca:
    「すまるか登録手数料」として、5年登録の場合に17,800円を請求します 。10年登録を選択した場合のサービス手数料は料金ページに明記されておらず、問い合わせが必要です 。

  • 商標登録ドットコム:
    「登録料納付」手数料として33,000円を設定しています 。

  • GVA 商標登録:
    登録査定後のサービス手数料は0円です。利用者が特許庁から送付される納付書を使い、ユーザーが直接印紙代を支払うモデルを採用しています 。

以下の表は、各社の査定後サービス手数料をまとめたものです。これにより、各社が同じ行政手続きに対して、いかに異なる価格を設定しているかが一目瞭然となります。

サービス名

手数料名

登録手数料(10年一括納付の場合)

登録手数料(5年分納の場合)

備考

Cotobox

登録手数料

16,500円

16,500円

成功報酬は0円と表記 

Amazing DX

登録手数料

16,500円

16,500円

料金表示は5年登録が基本の場合あり

Toreru

(更新手数料)

(初回0円)

(初回0円)

5年後の後期納付時に10,780円発生

Rakuny

登録手数料

27,500円

27,500円

Brandock

登録手続き料金

33,000円

24,200円

10年登録の方が手数料が高い 

Smarca

すまるか登録手数料

非公開

17,800円

10年登録の手数料は要問合せ

商標登録ドットコム

登録料納付

33,000円

33,000円

GVA 商標登録

(なし)

0円

0円

利用者が直接特許庁へ納付

(※料金は税込、1区分の場合。Amazing DXは税抜15,000円を税込16,500円として記載。)

第3章 サービスモデルによる違いと選択のポイント

各社の手数料の違いは、そのサービス提供のモデルに起因します。大きく分けると「代理人代行モデル」と「DIYサポートモデル」の2種類があり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。

3.1 手間をかけずに権利化:「代理人代行モデル」

CotoboxやAmazing DX、Brandockなど、多くのオンラインサービスがこのモデルを採用しています。専門家である弁理士が、登録料の納付手続きを最後まで代行してくれるのが特徴です。

  • メリット: 利用者は代理人に費用を支払うだけで、特許庁への納付手続きをすべて任せることができます。煩雑な手続きから解放され、本業に集中できる点は大きな利点です。

  • デメリット: 納付代行というサービスに対して、15,000円から33,000円程度のサービス手数料が発生します。この手数料が、最終的な支払総額を押し上げる要因となります。

「多少コストがかかっても、専門家に任せて時間を節約したい」と考える事業者にとっては、合理的で安心感のある選択肢と言えるでしょう。

3.2 コストを最小化する:「DIYサポートモデル」

GVA 商標登録が採用しているのがこのモデルです。出願書類の作成はシステムがサポートしますが、最終的な登録料の納付は利用者自身が行います。

  • メリット: サービス提供者が納付手続きに介在しないため、代理人サービス手数料が一切かかりません 。コストを法律で定められた印紙代のみに抑えることができ、経済的なメリットは最大です。

  • デメリット: 特許庁から送られてくる納付書を使い、自分で銀行窓口やオンラインで支払い手続きを行う手間が発生します。

「簡単な事務手続きを自分で行うことで、数万円のコストを削減できるならその方が良い」と考える事業者にとって、非常に魅力的な選択肢です。

どちらのモデルが優れているというわけではなく、事業者が「時間」と「お金」のどちらのコストをより重視するかによって、最適な選択は異なります。

第4章 コストシミュレーション:最終支払額の明確な差

それでは、各サービスモデルの違いが最終的な支払額にどれだけの影響を与えるのか。「1区分・10年一括納付」という最も標準的なシナリオで、登録査定後に支払う総額をシミュレーションしてみましょう。

サービス名

特許庁印紙代(10年)

代理人サービス手数料

登録査定後の支払総額

GVA 商標登録

32,900円

0円

32,900円

Amazing DX

32,900円

16,500円

49,400円

Cotobox

32,900円

16,500円

49,400円

Smarca

32,900円

(非公開)

(不明)

Rakuny

32,900円

27,500円

60,400円

Brandock

32,900円

33,000円

65,900円

商標登録ドットコム

32,900円

33,000円

65,900円

(※Toreruは初回登録時の手数料が0円のため比較対象から除外。Smarcaは10年登録手数料が非公開のため比較不可。)

この結果が示すように、登録査定後に支払う総額は、最も安価なモデルと高価なモデルとで33,000円もの差が生じます。これは、全く同じ「商標権」を同じ「10年間」という条件で取得するために生じる純粋なコスト差です。

スタートアップや中小企業にとって、この33,000円は決して小さな金額ではありません。それは新たなマーケティング施策の原資となり、製品開発への再投資となり、事業を成長させるための貴重な資本となり得ます。もし事業者が複数の商標を登録する必要がある場合、この差額は2倍、3倍と拡大していくため、サービス選定は重要な経営判断の一つと言えるでしょう。

まとめ:自社の価値観に合った、賢い選択を

本稿では、商標登録の最終ステップで発生する費用の内訳を整理し、特に「代理人サービス手数料」がサービス選びの大きなポイントになることを見てきました。

分析を通じてわかったのは、各社がさまざまな価格設定やサービスの形を提供しているということです。たとえば、専門家がすべての手続きを代行してくれる「代理人代行型」は、安心感と時間の節約が魅力。一方で、一部の手続きを自分で行うことで費用を抑えられる「DIYサポート型」もあり、それぞれにメリットがあります。どちらが合うかは、事業の状況や価値観によって変わってきます。

ブランドは、事業にとって大切な資産のひとつ。そのブランドを守るための商標登録は、将来への投資とも言えるでしょう。ただし、投資だからこそ、賢く選ぶことが大切です。出願時の費用だけでなく、登録までにかかるすべての費用、いわば「ライフサイクルコスト」を見通す視点が求められます。

これから商標登録を検討されている方は、ぜひ本記事の比較データを参考に、各サービスの料金やサポート内容をじっくり見比べてみてください。「手間を減らすこと」と「コストを抑えること」、どちらを重視するかを考えながら、自社にとって最適なサービスを選ぶことが、ブランドをしっかり守るための第一歩になります。

なお、弊社サービスについては、これらの記事もご参考にしてください。

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