#拒絶理由通知の種類
公開日:
2025/07/29
更新日:
2026.06.30

自社の商品やサービスのブランド力を向上させ、競合他社との差別化を図る上で、商標登録は必要不可欠です。しかし、商標登録出願を行ったからといって、必ずしもスムーズに登録されるわけではありません。特許庁の審査官が「登録できない理由がある」と判断した場合、出願人のもとに拒絶理由通知が通達されます。
本記事では、商標の拒絶理由通知とは何か、なぜ通知されるのか、そして拒絶理由の種別ごとにどのような対応方法が取り得るのか詳しく解説します。

出願された商標は、特許庁の審査官によって、商標法で定められた登録要件を満たしているかどうか審査されます。審査の結果、何らかの理由で商標登録が認められない場合に、審査官から拒絶理由通知が通達されます。
この通知は、「登録できない」と最終的に決定されたわけではなく、出願人に対して「拒絶理由に該当する部分を補正するか、意見書により反論してください」という機会を与えるものです。この段階で適切な対応を取れば、商標登録に至る可能性は十分あります。
商標登録出願後、拒絶理由通知が届くまでには一定の期間がかかります。一般的に、出願から審査結果が通達されるまでには、約半年から1年程度を要することが多いです。
審査官は、出願された商標が識別力を持っているか(他人の商品・サービス(役務)と区別できるか)、既存の他人の権利と抵触しないか(既に登録されている商標や、周知な商標に類似していないか)、公益に反するものではないかなどを多角的に審査します。
この審査の過程で、拒絶理由に該当すると判断された場合に、その内容を記載した拒絶理由通知が郵送またはオンラインで出願人に送付されます。
商標の拒絶理由はさまざまなものがあります。特許庁のホームページ(以下リンク)に解説がありますので参考にされると良いでしょう。
参照:特許庁|拒絶理由の解説 | 経済産業省 特許庁
また、拒絶理由通知への対応方法としては具体的には以下が挙げられます。
対応方法 | 内容 |
意見書の提出 | 審査官の判断に反論する |
補正書の提出 | 商標の指定商品・役務などを修正する |
不服審判の請求 | 審査官の判断に納得できない場合に行う |
商標の再出願 | 構成を変更して新たに出願し直す |
以下に代表的な拒絶理由の内容及び対応方法について解説します。
商品やサービスの品質、効能、用途、数量、形状、生産地などを普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標は登録を受けることができません。このような識別力がない商標のことを“記述的な商標”といいます。
具体例
・「美味しいパン」(指定商品:パン):パンの品質を表すため
・「安心安全」(指定商品:めん類):食品の品質や特性を表すため
・「健康ドリンク」(指定商品:清涼飲料):飲料の効能を表すため
・「京都土産」(指定商品:菓子):生産地(販売地)を表すため
拒絶理由への対応方法
以下のような方法で拒絶理由を解消することが可能です。
① 意見書で反論する
商標が記述的でなく識別力があることを主張したり、商標が具体的・直接的に品質等を表していないことを説明することが有効です。例えば「COOL WINE」は、「涼しいワイン」だけでなく「素晴らしいワイン」など多義的な意味があるため、識別力があると判断された事例もあります。
② 使用による識別力を証明する
長期間の使用実績により、消費者が商標を特定の企業やブランドとして認識されている場合、拒絶理由を解消することができます。証拠資料として、売上高やメディア掲載実績、認知度調査の結果を用いることができます。
先に登録された他人の商標(先行商標)と似ており、かつ、同一または類似の商品・サービスに使用される商標は登録を受けることができません。
具体例
【商標が類似し、指定商品・役務も類似】
先行商標:「ABCカフェ」(指定役務:飲食物の提供)
出願商標:「ABC喫茶」(指定役務:飲食物の提供)
(名称が非常に似ており、提供するサービスも同じため、混同のおそれが高い)
【商標の一部が同一・類似し、指定商品・役務も類似】
- 先行商標:「グッドライフ」(指定役務:不動産の取引)
- 出願商標:「グッドライフハウス」(指定役務:不動産の取引)
(主要部分が共通しており、事業内容も近い)
拒絶理由への対応方法
以下のような方法で拒絶理由を解消することが可能です。
① 指定商品・役務を補正する
先行商標と類似しない範囲まで、自社商標の指定商品・役務を減らしたり、具体的に限定したりします。
② 意見書による非類似性の主張
先行商標と自社商標が、外観(見た目)、称呼(読み方)、観念(意味合い)のいずれも類似していないことを主張します。また、指定商品・役務が非類似であると主張することも有効です。
③ 先行商標の不使用取消審判請求
先行商標が3年以上使用されていない場合、その商標権の取消を求める審判を請求する方法です。
他人の周知商標(需要者の間に広く認識されている商標)と類似する商標であって、同一または類似の商品・サービスに使用するものは登録を受けることができません。先願との類似と似ていますが、こちらは先行の商標が「周知性」を持っている点が特徴です。未登録の周知商標を保護し、出所混同を防ぐことを目的としています。
具体例
・「SONY」(電気機器の周知商標)に類似する「SOMY」を、指定商品「電子機器」で出願
・「トヨタ」(自動車の周知商標)に類似する「トヨダ」を、指定商品「自動車」で出願
拒絶理由への対応方法
以下のような方法で拒絶理由を解消することが可能です。
① 意見書による周知性の主張
引用商標が消費者の間に広く認識されていないことを証明します。宣伝広告の実績や売上などを用いて主張します。
② 意見書による非類似性の主張
先行商標と自社商標が、外観(見た目)、称呼(読み方)、観念(意味合い)のいずれも類似していないことを主張します。また、指定商品・役務が非類似であることも主張します。
③ 指定商品・役務を補正する
引用商標と類似しない範囲まで、自社商標の指定商品・役務を減らしたり、具体的に限定したりします。
上述した拒絶理由以外にも、例えば下記のいずれかに該当する商標出願は登録を受けることができません。
第4条第1項第7号:公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標
第4条第1項第8号:他人の肖像・氏名・名称・著名な略称を含む商標
第4条第1項第15号:他人の業務に係る商品・役務と混同を生じるおそれがある商標
第4条第1項第16号:商品の品質を誤認させるおそれがある商標 など
商標の拒絶理由通知への対応は、専門的な知識と経験を要します。自力で対応することも可能ですが、法的根拠に基づき論理的に構成され、説得力のあるものでなければなりません。弁理士は、審査官を説得するための効果的な意見書や、適切な範囲での補正書を作成するノウハウを持っており、複雑な交渉が必要な場合もあります。そのような理由から弁理士に相談することをお勧めします。
商標の拒絶理由通知は、商標登録出願においてしばしば遭遇する出来事です。決して諦めるべきものではなく、適切な対応を行うことで、多くの場合、商標登録を実現することができます。通知を受け取ったら、まずは内容を把握し、なぜ拒絶されたのか、どの条文に抵触しているのかを正確に理解することが重要です。その上で、意見書での反論、手続補正書での修正、あるいは両方の組み合わせといった対応策を検討します。

「商標登録したいけど費用が心配」
「自分で出願したいけどやり方がわからない」
「特許印紙って何?」
「ロゴ商標を出願してみたい」
GVA 商標登録は、オンラインで取りたい商標を検索し、必要な情報を入力すれば出願書類を自動作成。郵送出願や特許印紙の購入をサポートするオプションも充実しています。
区分数はいくつでも利用料金は一律7,980円(税込)~。今まで費用がネックで商標登録を足踏みしていた方はぜひご覧ください
🎁 今なら500円割引クーポンコード配布中!こちらからクーポンを取得してください🎁


おすすめの記事
#商標出願の方法・費用
2025.04.04
商標登録は自分でできる?やり方や注意点を解説
「商標登録は自分でできるの?」「費用を抑えたいけど手続きが複雑そう…」と悩む方も多いはず。商標登録は自力でも可能ですが、審査で登録が認められないと判断...
#商標の種類・具体例
2025.04.04
商標権とは?具体例、機能、歴史をわかりやすく解説
街を歩いているときに見かける店舗のマーク、ネット検索をしているときに使っているPCや携帯に入っているメーカーのマーク、コンビニで購入したペットボトルに...
#商標出願の方法・費用
2025.04.04
商標登録の費用はいくら?弁理士と自分で出願する場合の内訳・料金相場を比較
自社でブランドを立ち上げた場合や新しい商品・サービスなどの提供を開始した際には商標を取得するのは有効な施策の一つです。商標権を取得しておくことで、第三...
#商標出願の方法・費用
2025.04.04
商標登録のやり方を徹底解説|出願から登録までの流れ・費用・審査を紹介
自社でブランドを立ち上げた場合や新商品やサービスを開発した場合に押さえておきたいのが商標権の取得です。しかし、商標権の取得といっても出願から登録までど...
一覧へ