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商標と「登録商標」の違いとは?

#商標の基礎知識

商標と「登録商標」の違いとは?

公開日:

2026/09/11

更新日:

2026.09.11

自社ブランドを冠したサービスを展開する際に、商標登録について考えたことがある人は多いと思います。ただ、独立する前の会社員時代などに商標登録の手続きを見聞きしたことがあっても、いざ自分が経営者として出願を検討する段階になると、「商標」「登録商標」「商標登録」といった言葉の定義がわからず、どうしたらいいかわからないということもあるでしょう。

これらの言葉は日常的には区別なく使われがちですが、法律上は明確に異なる意味を持っています。本記事では、商標と登録商標の違いを軸に、関連する用語を整理して紹介します。

商標と「登録商標」の違い

ここで改めて整理すると、「商標」という単語だけを見ても、それが権利化されているかどうかは判断できません。看板やウェブサイト、名刺などで見かける社名やサービス名は、すべて広義の商標に該当し得ますが、その裏に商標権があるかどうかは別問題です。

権利があるかどうかを示すためには、「商標登録した」「登録商標である」「商標を取得した」といった事実がセットになります。逆に言えば、こうした表現が伴わない「商標」という言葉だけでは、単に事実上使用されている名称やマークを指しているにすぎず、法的な独占権の有無は判断できないということです。ただし、文脈によっては商標登録してあることを前提として「商標」と表現されるケースもあるので、わかりづらい場合は文脈をよく確認しましょう。

実際によく見かけるのが、商品パッケージやウェブサイトに記載される「®」マークです。これは登録商標であることを示す記号として国際的に広く使われており、日本国内でも登録商標であることを示す慣習的な表示として利用されています。一方で、米国などでは未登録の商標に対して「™」マークが使われることがありますが、これは日本の商標法上の制度ではなく、あくまで商慣習に基づくものです。日本国内で商標法上求められる表示義務があるわけではありませんが、こうした表示を目にしたときに、違いがわかるようにしておくのは有効です。

自社サービスの名称やロゴについて、権利を主張したいのであれば、「登録商標である」という状態にしておく必要があります。

「商標登録」と「登録商標」の違い

「商標登録」と「登録商標」は、字面が似ているためしばしば混同されますが、指している対象が異なります。

「商標登録」は、商標を権利化するための一連の手続きそのものを指す言葉です。具体的には、特許庁への出願、方式審査、実体審査、登録査定、登録料の納付、そして設定登録という流れを経て、商標が正式に登録簿に記載されるまでのプロセス全体を「商標登録」と呼びます。つまり「商標登録」は動詞的な意味合いを持つ言葉で、「これから商標登録をする」「商標登録の手続きを進めている」というように、行為やプロセスとして使われることが多い表現です。

一方「登録商標」は、こうした手続きを経て、実際に登録が完了した状態にある商標そのものを指す名詞です。「この社名は登録商標です」というように、すでに権利が確定している商標を指し示す際に使われます。

言い換えると、「商標登録」は手続き、「登録商標」はその手続きの結果として生まれる成果物、という関係にあります。

参照:商標の種類と利用目的 ・具体例を解説

商標は登録することで有効になる

ここまで見てきたように、商標は登録という手続きを経て初めて、法律上の独占的な権利として機能します。逆に言えば、登録をしていない商標については、たとえ長期間にわたって使用し、市場で一定の認知を得ていたとしても、原則として他者の使用に対して商標権に基づく差止めや損害賠償を請求することはできません。

これは実務上、非常に重要なポイントです。先に商標を使い始めたという事実だけでは、後から同一・類似の商標で登録を受けた第三者に対抗することは基本的に難しく、日本の商標制度は「先に出願した者を優先する」という先願主義を採用しています。つまり、良い名称やロゴを思いついても、それを使い始めただけで安心せず、できるだけ早い段階で出願を行うことが必要です。

未登録の状態でも、周知性が高い商標については不正競争防止法などによる保護の可能性はありますが、これは商標法上の権利とは異なる限定的な保護で例外的なものです。自社ブランドを冠したサービスをこれから本格的に展開しようとしているのであれば、名称やロゴが第三者に模倣されるリスク、あるいは逆に自分が知らずに他者の登録商標を侵害してしまうリスクの両方を考慮し、早めに出願・登録の手続きをおすすめします。

参照:商標権とは?具体例、機能、歴史をわかりやすく解説

商標権に関するよくある質問

Q1. 商標権とは何ですか?
A. 商標権とは、自社の商品・サービスに使用するロゴ・名称・マーク(商標)を独占的に使用できる権利です。特許庁への出願・登録によって取得でき、登録後10年間有効(更新も可能)です。

Q2. 商標登録しないとどうなりますか?
A. 商標登録をしていない場合、同じまたは類似の商標を他社に先に登録されてしまうリスクがあります。その場合、自社ブランドで使い続けることができなくなる可能性があります。

Q3. 商標権を侵害するとどのような責任が生じますか?
A. 商標権を侵害した場合、権利者から差止請求・損害賠償請求を受けることがあります。また、刑事罰(懲役・罰金)の対象にもなり得ます。

Q4. 商標権が保護される範囲はどこまでですか?
A. 商標権の効力は、登録した商標と同一・類似の商標を、指定した商品・サービス区分(同一・類似するもの)に使用する行為に及びます。区分が異なる場合は原則として効力が及びません。

Q5. 商標登録にはどのくらいの費用・期間がかかりますか?
A. 出願から登録まで通常6〜12ヶ月程度かかります。費用は区分数によって異なりますが、1区分あたり特許庁への印紙代として出願時約3,400円+(区分数✕8,600円)が必要です。

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