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#商標の種類・具体例

商標の種類と利用目的 ・具体例を解説

公開日:

2025/06/04

更新日:

2026.06.30

昨今の企業経営において、自社のブランドを保護し、その価値を向上させていくために、商標制度を活用することは、極めて重要です。

商標には、文字や図形、立体に加え、音や色彩、ホログラムなど様々なタイプの商標があり、ブランド戦略への活用の幅が拡大しています。これらの商標を適切に活用することで、企業は自社のブランドや商品・サービスを効果的に保護し、他社との差別化を図ることができます。

本記事では、日本の商標制度で定められている商標の種類及びその利用目的について解説します。

商標と商標権

商標とは、事業者が、自社の取り扱う商品・サービスを、他社のものと区別・識別するために使用するネーミングやマーク(識別標識)のことをいいます。

登録したい商標を特許庁に出願し、特許庁による審査の結果、登録査定となった場合には、登録料を納付することで「商標権」が発生します。商標権者は、指定した商品・サービスについて登録商標を独占的に使用できる権利を持つほか、他社が無断で同一または類似の商標を使用することを差止めたり、損害賠償を請求することが可能になります。

日本の商標制度で定められている商標の種類

日本の商標制度では、以下の種類の商標について登録を受けることができます。

  • 文字商標

  • 図形商標

  • 記号商標

  • 立体商標

  • 結合商標

  • 動き商標(2015年に追加)

  • ホログラム商標(2015年に追加)

  • 色彩のみからなる商標(2015年に追加)

  • 音商標(2015年に追加)

  • 位置商標(2015年に追加)

以下に各々の商標の特徴や利用目的、具体例を紹介します。

各商標の特徴、利用目的、具体例

文字商標

ひらがな、カタカナ、漢字、ローマ字、数字など、文字のみで構成される商標のことをいいます。日本で現在登録されている商標の多くは文字商標です。商標の書体は問わない、ネーミングとして権利を獲得したい場合には、特許庁長官が定めたフォント(標準文字)を使用する商標(標準文字商標)を利用することもできます。

利用目的

社名、商品名、サービス名、ブランド名などを直接的に表示し、称呼化しやすい機能を持っています。覚えやすく、発音しやすい名称にすることで、口コミなどの効果も期待できます。商標出願は、商品・サービスのデザインが決まる前であっても行うことができるため、文字商標をスピーディーに権利確保しておくことがブランド保護の点で有効です。

具体例

  • トヨタ自動車株式会社「TOYOTA」(自動車)

  • ソニーグループ株式会社「SONY」(電機製品など)

  • 株式会社良品計画「無印良品」(生活雑貨・食品など)

  • 株式会社ファーストリテイリング「ユニクロ」(カジュアル衣料品)

図形商標

写実的な図、漫画的な図、抽象的な模様、幾何学的な図形など、図形のみで構成される商標のことをいいます。

利用目的

企業やブランドのシンボルマーク、キャラクターなどに使用されます。文字商標と異なって視覚的なインパクトが強く、文字に依存せずにブランドイメージを直感的に伝えることができます。顧客の視覚に訴える機能と称呼化しやすいという文字商標の機能を併せ持つため、文字を図形化した商標が多く用いられます。記憶に残りやすく、国際的なブランド展開を行う際にも有効な商標です。

具体例

  • Apple Inc. の「リンゴマーク」(コンピュータ、スマートフォンなど)

  • NIKE, Inc. の「スウッシュ」(スポーツ用品)

  • McDonald's Corporation の「ゴールデンアーチ」(外食産業)

  • ヤマト運輸株式会社の「クロネコマーク」(運輸・運送)

記号商標

文字でも図形でもない、一般的な記号や紋章、装飾的なマークなどからなる商標のことをいいます。図形商標に近いですが、より抽象的であって、特定の思想や意味合いを持つ記号的な紋章に近いイメージです。

利用目的

ブランドのシンボルとして、独自性や伝統、企業のアイデンティティなどを象徴的に表現する際に利用されます。

具体例

  •  日本郵便株式会社の「〒」(郵便・物流サービス)

  • メルセデス・ベンツの「スリーポインテッド・スター」(自動車など)

立体商標

商品の形状、商品の容器、店舗の外観など、立体的な形状からなる商標のことをいいます。立体商標は、登録されると他社がその立体形状を使用することができなくなる分、商標登録のハードルが高いです。具体的には、登録を受けようとする商品の形状自体が、他社の商品と識別できる特徴を備えている必要があります。

利用目的

特徴的なデザインの商品ボトルやパッケージ、キャラクター人形、自動車のフォルム、店舗の建築デザインなど、視覚的に強い印象を与える形状によってブランドを保護します。模倣品対策としても有効です。

具体例

  • ザ コカ・コーラ カンパニー「コカ・コーラ」ボトルの形状(清涼飲料)

  • 株式会社ヤクルト「ヤクルト」容器の形状(乳酸菌飲料)

動き商標

文字や図形などが、時間の経過に伴って変化する態様(動き)を保護する商標のことをいいます。

利用目的

テレビCMで表示される企業ロゴのアニメーション、ウェブサイトのローディング画面、ゲームの起動時に表示される動画ロゴなどに利用されます。動的な表現により、ブランドイメージをより印象的に、かつ記憶に残りやすく伝える効果があります。

具体例

  • 大正製薬株式会社の「ワシのマークが羽ばたく動き」(医薬品など)

  • エステー株式会社のひよこの声とロゴの動き(生活用品など)

ホログラム商標

文字や図形が、ホログラフィーその他の方法により、見る角度によって変化して見える商標のことをいいます。

利用目的

クレジットカードの表面に貼付される偽造防止用のホログラム、商品の真贋証明、ブランド品のパッケージやタグに使用されます。偽造防止効果や製品認証、美的効果を併せ持つことが可能です。

具体例

  • 三井住友カード株式会社のクレジットカード表面のホログラム(クレジットカードの発行など)

  • 宝ホールディングスの「のみごろサイン」シール(酒類)

色彩のみからなる商標

単色または複数の色彩の組み合わせのみで構成され、文字や図形のような輪郭(境界線)を持たない商標のことをいいます。色彩自体が強い識別力を有している必要があるため、他の商標に比べると登録のハードルは高いといえます。

利用目的

商品の一部分の色(例:靴底の色)、企業や店舗のイメージカラー、サービスのシンボルカラーとして利用されます。色彩そのものにブランドのアイデンティティを託し、強力かつ直感的なブランド認知を可能とします。

具体例

  • 株式会社トンボ鉛筆の「MONO消しゴム」の「青白黒のストライプ」(鉛筆、油性ボールペンなど)

  • 株式会社セブン‐イレブン・ジャパンセブンの店舗看板に使用される三色(オレンジ、緑、赤の組み合わせ)(小売業)

音商標

音楽(メロディー、ハーモニー、リズムなど)、音声(人の声、自然音、人工音など)などからなるからなる商標であって、聴覚で認識される商標のことをいいます。

利用目的

テレビやラジオのCMで使用されるサウンドロゴやジングル、企業のブランド名を読み上げた音声、コンピュータやアプリケーションの起動音、製品の動作音などに利用されます。聴覚に訴えかけることで、ブランドを記憶させ、親しみやすさや特定のイメージを醸成します。

具体例

  • 久光製薬株式会社の「ヒ・サ・ミ・ツ」という音声とメロディ(医薬品など)

  • インテル コーポレーションの「Intel Inside」のサウンドロゴ(コンピュータ関連)

  • 大正製薬株式会社の「ファイト一発」の音声(医薬品など)

位置商標

文字や図形などを、商品などに付す「位置」が特定される商標のことをいいます。商標が特定の位置に付されることによって、識別力を有する場合に登録が認められます。

利用目的

衣料品のポケットや袖口の特定の場所にあしらわれたステッチやタグ、靴の特定の位置に付けられたストライプやマーク、バッグの金具の配置など、デザインの一部としてブランドを保護します。

  • adidas AG  靴の側面に平行に配置された「三本線」(運動靴など)

  • 株式会社エドウィン  ジーンズの後ろポケットに施される「W」のステッチ(衣料品)

※各商標種類の具体例については以下の記事もご参考ください。

参考リンク:商標権とは?具体例でわかりやすく解説

商標各種の特性を理解しブランド向上に役立てましょう

日本で出願できる商標の種類は多岐にわたり、それぞれが独自の特性と戦略的な活用方法を持っています。自社の商品やサービス、ブランドイメージ、そして将来の事業展開を見据えて最適な商標の種類を選択することがブランド価値の向上にも貢献します。

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