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#拒絶理由通知の種類

拒絶理由通知の商標法第4条第1項第11号とは何か?

公開日:

2026/05/08

更新日:

2026.06.30

商標登録の手続きにおいて、多く直面するハードルが商標法第4条第1項第11号に基づく拒絶理由通知です。これは簡単に言うと、あなたの出願した商標は、先に登録されている他人の商標と似ていて紛らわしい。という指摘です。

しかし、このような通知が届いたからといって、すぐに登録を諦める必要はありません。この通知はどのような場合に出され、実際に受け取った際にはどう対応すべきなのか――そのポイントを解説していきます。

1. 商標法第4条第1項第11号とは何か?

商標法第4条第1項第11号には、「当該商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標……と同一又は類似の商標であって、その指定商品若しくは指定役務……と同一又は類似のもの」は登録できないと定められています。

この条文の目的は、出所(ブランドの提供元)の混同を防ぎ、消費者が商品選びに迷わないようにすること、にあります。

参照:特許庁|十、第4条第1項第11号

https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/trademark/kijun/document/index/20_4-1-11.pdf

なぜこの拒絶理由が届くのか。

審査官は、以下の2つのポイントが両方とも重なっていると判断した場合に、この通知を送ります。

1、商標(マーク・名前)が似ている(類似商標)

外観(見た目)、称呼(読み方)、観念(意味)の3要素を総合的に見て判断されます。

2、商品・サービスの内容が似ている(類似商品・役務)

類似群コードという特許庁独自の分類に基づき、市場で混同が起きるかどうかで判断されます。

2. 事前の対策――拒絶理由通知を回避する方法

出願前に商標調査を行うことで、先願商標との類似による拒絶通知のリスクを下げることができます。 

ここでは、3つのポイントを整理して紹介します。

① 事前調査の徹底(J‑PlatPatの活用)

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/

まずは、特許情報プラットフォーム(J‑PlatPat)で、同じ名前や似た響きの商標が既に登録されていないかをチェックします。

無料で利用でき、登録商標・出願中の商標の両方を確認できるため、出願前のリスク把握に欠かせないステップです。

② 類似群コードの確認

次に、自分のビジネスが属する類似群コードを特定します。このコードは、商標の役務・商品がどれくらい近いか、を判断するための基準で、区分(類)が違っていても、類似群コードが同じであれば類似と判断される可能性があります。

そのため、同じコード内に競合する商標が存在しないかを確認することが重要です。

③ 独自性の高いネーミングを検討する

ありふれた言葉の組み合わせや一般的な表現は、どうしても先行商標と衝突しやすくなります。

3. 事後の対策 ―― 拒絶理由通知を受けた際の解消法

事前にしっかり対策をしていても、場合によっては拒絶理由通知を受けてしまうことがあります。 そのようなときでも、状況に応じて選択できる解消策はいくつか存在します。 以下に、代表的な対応方法をまとめました。

方法1:非類似の主張(意見書の提出)

審査官の「似ている」という判断に対して、商標は非類似であると論理的に反論する方法です。

称呼(読み)の違いを強調 

末尾の一音が異なるだけでも、実際の取引で聞き間違える可能性は低い、といった主張を行います。

観念(意味)の違いを説明 

商標から受ける印象や意味が全く異なることを示し、混同の可能性がないことを説明します。

必要によっては、業界のユーザー層や取引の実態を踏まえ、具体的に取引実情を根拠として示すことも有用です。                        

方法2:指定商品・役務の削除・限定(手続補正書の提出)

商標そのものが似ている場合でも、扱う商品・サービスの範囲を調整することで重複を避ける方法です。(先願商標と重なる商品・役務を削除する)

例:「菓子」という広い指定を「和菓子」に限定し、相手の「洋菓子」との重複を避ける。※ただし、類似群コードが異なる場合に限り有効。

方法3:コンセント(同意)制度の活用【2024年4月新設】

先願商標の権利者から「使用しても良い」という同意(コンセント)を得ることで、併存登録を可能にする制度です。具体的流れは以下です。

①双方で混同防止合意を締結し、特許庁へ提出

②消費者が混乱しないと判断されれば、似ている商標同士でも併存登録が可能

※2024年に導入された新制度で、ビジネス上の協力関係がある場合に有効です。

参照:特許庁|コンセント制度の導入

方法4:先願商標の取り消し(不使用取消審判など)

相手の商標が実際には使われていない場合、その登録を取り消すことで道を開く方法です。

不使用取消審判 とは・・・

他社が登録している商標が実際には使われていない場合に、その登録を取り消すよう請求できる制度です。審判が申し立てられた際、相手方が継続して3年以上、日本国内で商標を使用していないと判断されれば、特許庁はその商標権を取り消すことになります。

参照:特許庁|商標登録取消審判

https://www.jpo.go.jp/system/trial_appeal/shubetu-shohyo_torikeshi/index.html

※これは、実際に使われていない商標が市場に残り続けることを防ぐための制度で、先願商標が実質的に空き家状態になっている場合に有効な手段です。

4.まとめ

商標法第4条第1項第11号は、商標実務の中でも特に頻繁に直面するハードルですが、必ずしも突破不可能な拒絶理由ではありません。 状況に応じて適切な対応を取ることで、登録への道が開けるケースも多くあります。また、必要に応じて特許庁と連絡を取り、自ら解決の糸口を探る姿勢も有効です。

審査官とのコミュニケーションを通じて、どの点が問題となっているのかを把握できれば、より的確な対策を講じることができます。

参照:特許庁|商標の拒絶理由通知書を受け取った方へ

https://www.jpo.go.jp/system/basic/otasuke-n/shohyo/kyozetsu/

審査官の判断内容を丁寧に確認し、状況に応じて意見書で非類似を主張する、指定商品・役務の範囲を調整する、相手方と協議してコンセント(同意)を得るなど、適切な対応を選択することで、登録につながるケースは少なくありません。

また、対応方針に迷う場合には、ネーミングの微調整や法的な反論ロジックの構築について、弁理士などの専門家に相談することも有効です。

専門的な視点を取り入れることで、より確実性の高い解決策を見いだせる可能性が広がります。

※他の拒絶理由通知については、こちらの記事も参照にしてください。

拒絶理由通知の商標法第3条1項柱書とは何か?

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