#商標出願の方法・費用
公開日:
2025/05/07
更新日:
2026.08.04

ロゴとネーミングのどちらにも愛着があり、商標として、しっかり守りたいと考えました
商標登録出願をしようとした際に「先行する他人の登録商標と類似しているから、この商標が登録を受ける可能性は低いです」と弁理士から言われてしまった経験のある方はいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、類似すると言われても何をもって類似しているのか疑問に思われる方も少なくないでしょう。そこで本記事では商標における類似と類似する商標について調査する商標調査の基本について解説します

商標は、消費者や取引先などの需要者が商品やサービスを選択する際の目印となるものですが、多くの需要者は、「確かこんな感じのマーク(商標)のこんな商品だったな」という、以前その商品やサービスを選択したときの記憶を手掛かりに商品や役務を選択することとから、似たような商標が付された他社の商品や役務を間違えて購入するリスクがあります。
需要者がこのような間違いをしないように、また、事業者がその商標のもとに築いた商品や役務に対する信用を保護するために、商標法では、登録商標と同一の商標だけでなく、類似する範囲にまで商標権による保護範囲を設定し、登録商標と類似する商標は原則として登録できないとしています。ここでは「商標の類似」について説明します。
商標の類似とは2つの商標が出所の混同を生じるほど近似していることをいい、商標を出願する前に類似する商標が登録されているかどうかは非常に重要なポイントとなります。前述のとおり類似した商標が既に登録されている場合には原則としてその商標の登録は認められないからです。では、類似しているかどうかの判断はどのようになされるのでしょうか。この点については、商標の外観(見た目)、称呼(読み方)、観念(意味合い)の3つの要素を総合的に考慮し、商標が使用される商品や役務の主な需要者や取引の実情を考慮したうえで需要者が通常有する注意力を基準として商品または役務の出所の混同が生じるおそれがあるかどうかにより判断します。
参照:独立行政法人工業所有権情報・研修館「商標の類似の判断はどのように行うのですか」
商標は、商品や役務の出所を表示する機能があることから、「商品やサービスの出所の混同が生じる」という点が商標の類似判断の基準となります。
商標類似の概念は、商標登録出願前の商標調査や、商標権侵害の判断などにおいて重要です。なお、商標類似の判断は最終的には特許庁が行うため、十分な調査により「類似する他人の登録商標がない」「他人の商標権の侵害にあたらない」との確証が得られた場合であっても特許庁の審査や審判において覆される可能性がある点には注意しましょう。
先程も挙げたとおり商標の類似の判断に当たっては、外観(見た目)、称呼(読み方)、観念(意味合い)が重要な要素となります。具体例でご説明しましょう。
まず文字商標を例に考えてみましょう。
「TABERU」という他人の登録商標があるときに「タベル」という商標を出願しようとした例を考えてみましょう。この二つは、英語表記と漢字表記のため外観上は類似していません。しかし、いずれも「たべる」という読み方が生じることから称呼は同じです。そのため、商標が類似すると判断される可能性が高いといえるでしょう。
また商標の類似の判断に当たっては、商標自体が類似しているかどうかに加えて、その商標と類似判断の対象となる商標が使用される商品やサービスが類似するかどうかの判断する際の審査対象となります。
冒頭でご説明したとおり、商標権の効力は、登録商標と同じものだけでなく登録商標に類似する範囲にまで及びます。つまり、他人の登録商標と同一だけでなく類似する範囲については、以下の点にご注意ください。①他人の登録商標と同一だけでなく類似する範囲については、原則として登録を受けることができない ②他人の登録商標と同一だけでなく類似する範囲については、その他人の承諾を得ずに使用した場合、商標権侵害となるリスクがある。
商標が類似するかどうかの判断に当たっては前述の通り商品や役務が同一または類似するかどうかも判断要素となります。したがって、商品や役務が異なるケースでは原則として類似性が否定されます。しかし、商品や役務の区分を越えて類似性が肯定されるケースがあります。これを他類間類似といいます。
この他類間類似は区分は異なりますが類似群コードが同じ場合に適用がされるものとなります。例えば、「第1類のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。)」で出願した場合、本来区分の異なる「第3類 かつら装着用接着剤、つけまつ毛用接着剤、洗濯用でん粉のり、洗濯用ふのり」「第16類 事務用又は家庭用ののり及び接着剤」とは区分は異なりますが、類似群コード(01A02)が共通しているため、「第3類 かつら装着用接着剤、つけまつ毛用接着剤、洗濯用でん粉のり、洗濯用ふのり」「第16類 事務用又は家庭用ののり及び接着剤」で出願しても類似する商標として拒絶される可能性が高いということになります。※類似群コードは・・・商品や役務ごとに特許庁があらかじめ類似する範囲を示す類似群コードを設定し、その類似群コードが共通する商品や役務同士は類似すると画一的に推定されます。
また、「販売部門の一致」「原材料及び品質の一致」「用途の一致」「需要者の範囲が一致」などを総合的に考慮して、類似群コードが異なっていても、商品や役務が類似すると判断されることもあります」
商標は出願する前に類似する商標が無いか調査を行います。ではその理由や目的は何なのでしょうか。ここでは理由・目的について解説します。
二つの商標が類似する場合と同一の場合とはどのように違うのでしょうか。この点については、同一とは、商標(マーク)も指定商品・役務(サービス)も完全に一致する状態のことをいいます。これに対して類似とは、商標(マーク)か指定商品・役務のどちらか、または両方が似ていて、混同のおそれがある場合のことをいいます。
商標権の効力が及ぶ範囲と類似・非類似の関係は以下の図を参考にしてください
出典:特許庁「商標の効力」 を加工して作成
商標の類似性が判断される場面は、主に2つあります。まず一つ目は商標出願時の審査の際です。他人の登録商標と類似している内容で出願すると拒絶通知になってしまう可能性が高くなり、最終的には商標登録に至らない可能性が考えられます。
二つ目は自分で商標を使用する際に他人の登録商標と類似していないかを調査することが一般的です。自社の登録商標と類似する商標を他人が使っている場合に警告したり、訴訟を起こしたりする際の判断や予防的な調査時などの際に商標の類似性の判断がなされます。
特許庁のサイトから引用した表の補足説明:類似する商標の例としては、「ABC」という商標が2つあったケースで、いずれも称呼も一致しているケースでも、その商標を弁当屋として使うケースと自動車修理業として使うケースであれば2つの商標は類似しないと判断され登録できる可能性あります。
では具体的に類似する商標はどのように調査すればよいのでしょうか。ここでは調査方法について解説します。
特許庁のHP内にあるJ-PlatPatを用いる方法が簡易的な調査方法として挙げられます。商標を検索する場合には簡易検索欄の選択を商標に合わせ、これから出願しようとしている商標や検索したい商標とその商標を使用する商品や役務の類似群コードを検索窓に入力し検索してみましょう。また、類似群コードをについては、FAQ(よくある質問と回答)を参照してください。
商標調査を弁理士へ依頼するのも一つの方法です。弁理士へ商標調査を依頼することには以下のメリットがあります。
1.商標調査の手間や時間を省くことができる
JPlatPatのようなデータベースを使用した商標の調査は検索結果の件数が多くヒットする場合もあり、その場合には商標調査に非常に時間と手間がかかってしまうことになります。弁理士などへ商標調査を依頼することでこうした手間や時間を削減することができます。
2.専門家の知識や経験に基づくアドバイスを受けることができる
商標調査は商標について専門的な知識などが必要となります。弁理士に依頼することで専門家としての観点からのアドバイスを期待できるという点は弁理士に依頼するメリットといえるでしょう。
3.商標権侵害のリスクを低減することができる
自分で商標調査を行った場合、専門的な知識や経験だけでなく客観性が欠けている可能性があります。そのため、自己調査で他人の商標権侵害のリスクがないと判断して商標を使用することが、他人の商標権の侵害につながるケースがあります。こうした事態を避けるために、弁理士に商標調査を依頼し専門的かつ客観的な調査結果を得ることで他人の商標権侵害のリスクを低減することができるのもメリットの一つといえるでしょう。
商標の類似性の判断は外観・称呼・観念といった要素やその商品や役務の取引慣行等の取引の実情を総合的に考慮して判断するため専門的な判断が必要となるケースは少なくありません。まずは本記事を参考に二つの商標が類似するかを検討してみた上で、判断に迷うようであれば専門家に相談することも検討するのが良いでしょう。
OCEAN INCUBATE合同会社 田村 圭祐 様は、GVA 商標登録を利用して、自分で書類を作成して出願をされています。詳しくは以下からご覧ください。
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