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【マーケ担当者必見】他社商標を使...

#商標の基礎知識

【マーケ担当者必見】他社商標を使ったSEO・リスティング広告はどこまでOK?法律上の境界線とNG事例を解説

公開日:

2026/09/03

更新日:

2026.09.03

Web広告や記事コンテンツを運用していると、必ず一度は頭をよぎるのが「競合社名や有名ブランド名を使ったら集客効果が上がるのでは」という発想です。実際、リスティング広告の検索対象キーワードや比較記事のタイトルに他社の商品・サービス名を用いる施策は珍しくありません。しかし、その使い方を一歩誤ると、商標権侵害や不正競争防止法違反として警告や損害賠償請求を受けるリスクがあります。本記事では、Webマーケティングにおける「他社商標の利用」がどこまで合法で、どこからが違法になるのかを、法律上の根拠とともに整理します。

検索結果上の他社商標について知っておくべき2つの法律

他社の商標を扱う際に関係してくる法律は、大きく2つあります。

1つ目は商標法です。商標法は、登録された商標を「自社の商品・サービスを区別するための標識(出所標識)」として無断で使用することを禁止する法律です。ポイントは、単に「商標という文字列を使うこと」自体が禁止されているわけではなく、「自社の商品・サービスを示す目印として使うこと」が規制の対象になっている点です。この「商標的使用」に該当しない使い方であれば、商標法上は問題になりません。

参照:商標権とは?具体例、機能、歴史をわかりやすく解説

2つ目は不正競争防止法です。この法律は、商標登録の有無に関わらず、周知・著名な他社の表示を悪用して消費者を誤認させる行為(混同惹起行為)や、他社の信用を傷つける行為を禁止しています。商標登録されていないブランド名や、ロゴ・キャッチフレーズなども保護対象になり得るため、「商標登録されていないから安全」という判断は禁物です。

この2つの法律は適用される場面が異なるため、リスティング広告・SEO記事のどちらを扱う場合も、両方の観点から確認する必要があります。

参照:商標登録の区分とは?45分類の商品・役務を一覧で解説

リスティング広告における他社商標キーワードの購入と広告文の境界線

検索連動型広告(リスティング広告)は、他社商標をめぐるトラブルが起きやすい領域です。ポイントは「キーワード設定」と「広告文への表記」を明確に分けて考えることです。

検索キーワードとしての設定(他社商標買い):原則OK

他社の商標を、広告を表示させるための「トリガー(検索キーワード)」として設定するだけであれば、原則として問題ないとされています。ユーザーの画面上には商標そのものが表示されず、裏側の配信設定にとどまるため、商標法が禁止する「商標の使用」には該当しないというのが一般的な判例・通説の考え方です。競合ブランド名で検索したユーザーに、自社の広告を表示させること自体は、法律上グレーではなく「原則OK」に近い扱いです。ただし、法律上はOKであっても、競合関係の悪化や相手からの報復による広告費高騰などのリスクを考えると、実務上は極力避けるのが無難です。

一方で、競合のサービス名に一般的な単語(「クラウド」「会計」「予約」など)が含まれている場合、部分一致や関連キーワードの配信において完全な除外指定が難しく、どうしても避けられないこともあります。そのため、「故意の狙い撃ちは避けつつ、汎用キーワードが被る場合は運用上許容する」といった、リスクと実用性を考慮したケースバイケースの判断が求められます。

広告文・見出しへの他社商標の記載:原則NG

一方、広告のタイトルや説明文に他社の商標をそのまま記載する行為は、リスクが一気に高まります。ユーザーが広告を見て「これは他社の公式サイトだ」「提携しているサービスだ」と誤認してしまう可能性があるためです。この「出所の誤認・混同」が生じると、商標権侵害や不正競争防止法上の混同惹起行為に該当するリスクが極めて高くなります。

「〇〇(他社名)公式」「〇〇の正規販売店」といった表現を、実際には関係のない事業者が使うことは典型的なNGパターンです。

プラットフォーム(Google/Yahoo!)の独自ポリシー

その他に注意すべき点としては、法律上の判断とは別に広告プラットフォーム独自の運用ルールが存在する点です。Google広告やYahoo!広告では、キーワード設定自体が法律上グレー〜OKの範囲であっても、商標権者からの申し立て(商標に関する苦情)があると、広告文の審査が厳格化されたり、広告そのものが停止されたりすることがあります。

特にGoogle広告は、商標権者が「商標に関する苦情」を申請した地域では、第三者による当該商標の広告文中への使用を制限するポリシーを採用しており、審査担当者の判断によって掲載可否が変わる場合もあります。つまり「法律上は大丈夫」でも「プラットフォーム上では止められる」ケースがあるため、実務上は法律・広告プラットフォーム両方の基準を意識する必要があります。

サービス比較記事やメタタグでの他社商標利用

オウンドメディアやブログ、アフィリエイト記事などのテキストコンテンツでも、他社商標の扱い方には明確な基準があります。

比較記事・レビュー記事での記述:原則OK

「〇〇(他社商品)と△△(自社商品)を比較」「〇〇のレビュー・評判まとめ」のように、他社製品について言及・解説する目的で本文やタイトルに商標を書くことは、単なる「記述的使用(言及)」にとどまり、商標権侵害にはならないのが原則です。

これは自社商品を示す標識として商標を使っているわけではなく、説明・紹介のために製品名を挙げているに過ぎないためです。読者にとって有用な比較コンテンツは、この範囲内であれば問題なく作成できます。

SEO目的の不自然な埋め込み・メタタグ使用:注意が必要

一方、ユーザーの目に見えない部分(meta keywordsタグなど)に他社の商標を不自然に大量に埋め込む行為には注意が必要です。検索エンジンのガイドライン違反によるペナルティのリスクに加え、実質的にユーザーを他社ブランドの検索から不当に自社サイトへ誘導する行為とみなされ、不正競争防止法上の問題に発展するリスクもあります。

ドメイン名への他社商標の使用:NG

最も明確にNGとされるのが、ドメイン名(URL)そのものに他社の登録商標を含める行為です。例えば「〇〇-hikaku.com」のように、他社ブランド名をドメインに組み込むケースは、不正競争防止法第2条1項19号などに基づき、差止請求や損害賠償請求の対象となり得ます。

ドメインは検索結果や広告表示にも直結する重要な要素であるため、この点は絶対に避けるべきラインとして覚えておく必要があります。同様に、サブドメインやパンくずリスト、フォルダ名(例:example.com/○○-hikaku/に他社商標を使う場合も、URLとして表示・記録される以上は慎重な判断が求められます。

一目でわかる!Webマーケティング商標利用OK/NG判定表

施策・行為

判定

理由・注意点

他社商標をリスティング広告の検索キーワードに設定

OK(注意が必要)

画面に表示されなければ商標法上の「使用」にあたらない(※訴訟リスク・ポリシー停止リスクはゼロではない)

リスティング広告の「広告文」に他社商標を記載

NG

ユーザーが出所を誤認(混同)するため商標権侵害・不正競争防止法違反

ブログやWebメディアで他社製品の比較・レビュー記事を書く

OK

単なる解説・言及(言論の自由・解説目的)であり、自社標識としての使用ではないため

他社商品・サービスを事実無根の内容で誹謗中傷する記事

NG

商標権ではなく、不正競争防止法(信用毀損行為)や名誉毀損・業務妨害罪に抵触

ドメイン名(URL)に他社の登録商標をそのまま含める

NG

不正競争防止法により、図利・加害目的でのドメイン取得・使用として違法と判定される

ルールを理解しリスクのないWeb集客に役立てましょう

他社のブランド力(商標)を安易にハックしようとすると、大きな紛争リスクを抱えることになります。しかし、「比較・解説などの正当な言及」と「ユーザーに出所を誤認させる使用」の境界線を正しく理解していれば、過度に恐れる必要はありません。リスティング広告のキーワード設定や比較記事の作成は、多くの企業が日常的に行っている合法的な施策です。

施策を実施する前には、①ユーザーが「他社の公式・提携先」と誤認する表現になっていないか、②ドメインや広告文に他社商標をそのまま組み込んでいないか、③事実に基づかない表現になっていないか、という3点を最終チェックとして確認することをおすすめします。

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