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商標調査の流れ・やり方を解説

#商標出願の方法・費用

商標調査の流れ・やり方を解説

公開日:

2025/04/04

更新日:

2026.08.04

商標は登録しなくても使用できますが、商標登録を受けることは株式上場(IPO)や、新たな商品やサービスを市場で展開する際には重要です。しかし、商標出願後の審査で「拒絶理由がある」と判断された場合、と商標の登録を受けられません。そこで、商標調査で「拒絶理由があるかどうか」を調査することで、このようなリスクを回避しスムーズな商標登録につながります。

本記事では、商標調査の必要性やメリット、商標調査の流れ、実施する際の注意点、商標調査の具体的な方法などを分かりやすく解説します。

商標調査の種類

商標は、消費者が自社の商品やサービスを選択する際の目印となるものですから、ここでは主に以下の2パターンの調査を取り上げています。
「先行商標調査」「識別力調査」

先行商標調査とは

商標は、消費者が自社の商品やサービス(商標法では「役務」といいます)を選択する際の目印となるものですから、出願前にはさまざまな角度から検討しなければなりません。出願前の検討のために特に重要なのは先行商標調査です。使用や出願を予定している商標が自社の商品・役務の表示として適切であると考えても、使用を予定している商品・役務と同一または類似するものについて他人の商標がすでに出願や登録されていれば原則として登録を受けることができないので事前の調査は重要です。

出願した商標が登録され商標権を取得できれば、その商標を指定商品や役務で独占的に使用することができます。出願や登録をしなくても商標を使用することはできますが、他人が出願または登録した商標と類似する商標を使用すると商標権の侵害にあたるリスクがあります。こうしたリスクを回避するために、商標出願するか否かにかからわず、商標を使用する前に先行商標調査をすることは有効です。

先行商標調査が必要な理由 

先行商標調査を行う理由は、以下の2点です。

①商標登録可能性の把握 

他人の出願中の商標または登録商標と同一または類似する商標は、原則として登録を受けることはできません。事前に先行商標調査をすることで、商標登録可能性を把握することができますし、他人の先行商標との類似を回避する方法を検討するなどして、自社の商標の登録可能性を高める対策をとることができます。

②他人の商標権侵害リスクの低減

 他人の商標と同一または類似する商標の使用は、商標権侵害にあたります。出願中の商標や登録商標は公開情報でありJ₋PlatPatなどで検索できますので、商標権侵害の認定の際に「他人の商標権が存在することは知らなかった」という事情は考慮されません。そのためにも、先行商標調査は必要です。

(1)差止請求

商標使用の停止(看板・POP・パンフレット等にも及ぶ)や商標を使用した商品の廃棄などの請求。

(2)損害賠償請求

侵害行為によって商標権者などが受けた損害の賠償請求。

(3)不当利得返還請求

侵害行為によって当事者が得た利益の返還請求。

(4)信用回復措置請求

新聞紙上における謝罪広告などによる商標権者の信用回復措置の請求。

また、民事責任の他にも刑事責任として、商標権の侵害者に対し10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金、又はその両方を科される可能性があります。

 商標調査のメリット 

商標調査、つまり出願の事前調査では、侵害回避の他、登録可能性についての把握などがあります。

1. 商標の登録可能性を高められる

日本では、同一又は類似する商標の出願があった場合には、その商標を先に使用していたかどうかにかかわらず、先に出願した者に登録を認める先願主義を採用しています。そのため商標登録出願前に先行商標と権利者を調査し、障害となりそうな先行商標を回避することで登録可能性を高めることができます。

2. 使用可能性を事前にチェックできる 

商標調査によって希望する商標の使用によるさまざまな問題が予見される場合には、出願前に商標を修正・変更することにより、差止請求や損害賠償請求などを受けるリスクを減少させることが可能になります。

商標調査 ~はじめに~

商標権は、「商標」と、その商標を使用する「商品・役務」の組合せで1つの権利となっています。商標調査を行う場合には、「商標」と「商品・役務」の面から、自己が使用・出願しようとする商標と同一または類似する先行商標があるか否かを調査します。「商品・役務」は、政令で定める区分※に従い指定します。

参照:特許庁 ※類似商品・役務審査基準

商品・役務は商標の権利範囲を決定するので、商標同士が同一又は類似であっても商品・役務が大きく異なる場合には商標の類似にはあたらないと判断される可能性があります。そのため、商品・役務を指定する際には実際に使用を予定しているものを中心に範囲を絞る事は必要です。しかし、あまり絞りすぎると使用範囲が限定されるので、将来的な事業展開も考慮し今後想定される商品・役務を含めた商標ポートフォリオに従って商品・役務を指定することも考えられます。

次に、商標の読み方「称呼(しょうこ)」を考えます。特許庁の審査官は、①外観(見た目)、②称呼(読み方)、③観念(意味)を総合的に考慮して商標の類似性を判断しますが、その中で称呼の類似は特に重視されますが、称呼以外の要素でも類否判断がされるので、称呼調査だけでは不十分である可能性もあります。

称呼は出願人が決めるものではなく、消費者が先入観を持たずに商標を見たときにどの様に読むかを基準に判断されます。漢字やアルファベットのように一つの商標から複数の称呼が生じる可能性がある場合には、その全ての読み方で類似する商標がないかを調査することが望ましいです。

商標調査上、注意すべき点

自分で商標調査を行う場合の重要な注意点は3つあります。

1. 類似範囲まで検索する

まず、「商標×商品・役務」の他に「称呼×商品・役務」の調査が必要となりますが、気をつけなければならないのは商標や称呼の類似以外に商品・役務の類似もチェックすることです。事前に類似商標を確認することで、安全かつ確実な商標登録とブランド保護が可能になる可能性が増します。

これは、商標の登録データに記載されている類似群コードをもとに確認できます。また、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)を利用すると、商標と称呼の両方で先行商標を効率よく検索することが可能です。

2. 商標リスクを考える

商標調査を行った際に、類似の商標・称呼・商品・役務のいずれかにチェック漏れが有る場合や、適切な商品・役務を指定できていない場合には、商標の出願時や登録後の使す用に関する法的リスクについても考慮する必要があります。場合によっては商標に関する弁護士・弁理士などの専門家に依頼することも選択肢の1つです。

3. 登録できない商標は選ばない

商標には登録を受けることができない言葉があるので、商標を決める際には次の(1)〜(3)に該当しないかどうかのチェックが必要です。

(1)自己と他人の商品・役務を区別することができないもの

一般的な名称(普通名称)やありふれた名称など誰の商品・役務かを認識できない商標。単に普通名称を複数並べただけの商標も該当するので、検索する文字を「“”」で囲むGoogleの検索は名称の使用頻度をもとに普通名称に当たるか否かを判断する基準の一つでしょう。

(2)公共の機関のマークと紛らわしい等公益性に反するもの

国の機関や地方公共団体などが使用している標識と紛らわしい商標が該当します。

(3)他人の登録商標や周知・著名商標等と紛らわしいもの

商標が類似する場合は当然ですが、他人の氏名などを含む商標や、広く知られている有名な商標を別の商品・役務で使用し第三者にその商標権者が関係する商品・役務であるかのような印象を与える場合などが該当します。

商標調査の具体的な方法

商標調査の方法はその商標に関わる事業の大きさや使用範囲などによっても異なりますが、自分で行う場合と専門機関に依頼する場合があります。

商標データベースなどの利用

自分で商標調査を行う場合には、費用がかからず簡単に利用できるGoogleなどの検索エンジンの利用も適しています。検索欄に商標・称呼あるいは商品・役務に関連するキーワードを入力するだけで比較的簡易な商標調査が可能です。検索の結果、多数の類似商標がヒットした場合には、より差別感のある商標に変更することも考えられます。

検索エンジンでの調査で大きな問題が無ければ、J-PlatPatなどの無料のデータベースを利用し、さらに詳しく先行商標との類似性を調査します。その際には、前述したように、①外観(見た目)、②称呼(読み方)、③観念(意味)の3つの観点から評価することが重要ですが、外観や概念については、調査より主観的な要因も大きいとも言えます。そして、指定商品・役務だけではなく類似する商品・役務の確認も必要です。

検索エンジンやデータベースでのチェックが終わり、出願する商標が決まった後は登録出願に進むことも可能ですが、より詳細な調査を希望する場合や第三者の専門家の意見を参考にしたい場合には、経験豊富な専門家に詳細調査を依頼した上で出願することも考えられます。

商標検索の重要性と戦略立案

商標検索には先行商標を調査する以外に、候補とする商標がターゲット市場において独自性や識別力を持っているかを知る手段にもなります。識別力とは、顧客が自社の商品・役務をその他の商品・役務の中から見分けられるようにする力です。普通名称やありふれた名称の様に識別力がないものは原則として登録されませんが、識別力のある商標は出願後の審査で拒絶されるリスクが軽減するので、商標にとって識別力の有無は重要です。

ただし、識別力がないことは拒絶理由ではありますが、使用は可能です。

①他人の商標と同一または類似 ⇒拒絶理由&使用不可
②識別力なし ⇒拒絶理由&使用可能(+使用により識別力がつけば拒絶理由でなくなる)

商標調査で類似商標が見つかった場合には、その影響を考慮して商標の修正や別の商標の検討が必要になるので、調査範囲は過度に限定するのは避けるとともに、登録データに記載されている類似商品・役務や、類似商標・称呼を過小評価しないように配慮する必要があります。

スムーズな商標登録には商標調査がポイントとなる

商標登録出願の審査において、同一又は類似する先行商標があれば拒絶されるリスクがあります。また、他人の先行商標と同一または類似する商標を使用した場合、他人の商標権を侵害するリスクがあります。これらのリスクを低減するため事前に商標調査をすることをご検討ください。なお、商標調査を実施する際には、本記事で解説した商標調査の流れ、法務リスク、注意点などを参考にしていただけると幸いです。

もし、自分で商標調査を行うのが不安な場合や調査が難しいと感じた場合には、経験豊富な専門家に相談してみるのも良いでしょう。

GVA 商標登録で出願された事例

ITインフラ設計・運用支援など、現場の実務に根ざした情報処理サービスを展開する株式会社プルーブマインド様は、過去に別のサービス名で商標を他社に取得されていた経験から、事前に商標確保の重要性を認識され、GVA 商標登録で出願されています。

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