#商標の種類・具体例
公開日:
2026/05/28
更新日:
2026.06.30

美容室やサロンをオープンする際、内装づくりや技術の準備、集客などに力を注ぐ一方で、つい後回しになりがちなのが「店名の商標登録」です。
しかし、店名(屋号)はサロンの顔であり、お客様との信頼を育てる大切な資産でもあります。もし商標登録をしていない場合、思わぬタイミングで「その名前は使えません」といった通知が届く可能性もゼロではありません。
本記事では、サロン経営における商標登録のメリットや、登録しない場合に起こり得るリスク、そして失敗しないためのポイントを解説していきます。

商標登録とは、店名やロゴを特許庁に登録し、「自分のお店だけが使える名前」として守る仕組みです。
SNS や美容系の検索サイトが普及した今、全国のサロン名が簡単に調べられるようになり、 「知らないうちに他店と同じ名前を使っていた」 「人気店の名前を真似されてしまった」 といったトラブルが起こるケースも否めません。
商標登録をしておけば、もし他のサロンが同じ名前を使っても、法的に止めることができます。 つまり、あなたのサロンの名前を全国レベルで守ることができるのです。
① 競合による、店名の模倣を防げる
お店自体に人気が出てくると、近隣や他県で似たような店名・コンセプトのサロンが現れることがあります。 こういった場合に商標登録をしておけば、相手に店名の変更を求めるなど、正式に対応することができます。
② 全国どこでも安心して集客・広告ができる
商標権は日本全国で効力を持ちます。 将来の多店舗展開や、オンラインでのオリジナル商品の販売など、活動の幅が広がっても、同じ店名を安心して使い続けられます。
③ 「信頼の証」としてブランド力が高まる
商標登録をしていることは、法的な面もきちんと整えている、信頼できるお店という印象につながります。 求人広告などを出す際にも、スタッフに「長く働ける安心感」を与えるプラス材料となります。
④ SNS やドメインなどのデジタル資産を守れる
SNSなどのInstagram のアカウント名や公式サイトのドメインを他者に使われてしまった場合でも、商標権があると停止申請などがスムーズに進むケースがあります。 オンライン時代の今、非常に大きなメリットです。
⑤ 店名が資産として価値を持つ
商標権は無形資産として扱われます。 将来、店舗を売却(M&A)したり、フランチャイズ展開をしたりする際、商標登録の有無がブランド価値や契約の成立しやすさにも影響します。
① 「店名の変更」を求められる可能性
たとえ10年以上使ってきた店名であっても、後から別の人がその名前を商標登録してしまうと、原則として「登録した側」に権利が発生します。 その結果、看板の掛け替えやチラシの破棄、ホームページの修正など、大きな負担を伴う対応を求められることがあります。
② 思わぬ損害賠償やリブランディング費用が発生する
商標権を侵害していると判断された場合、過去の利益を基準に損害賠償を請求されるケースもあります。 さらに店名を変えるとなると、看板・名刺・ユニフォーム・SNS・サイトなどの作り直しが必要になり、数百万円規模の出費につながることも珍しくありません。
③ 検索順位(SEO)や口コミがリセットされる
店名の変更は、これまで積み上げてきた Google ビジネスプロフィールの口コミや、検索エンジンでの上位表示を失うことを意味します。 サロンにとって大切な“オンライン上の信用”がゼロに戻ってしまうのは、経営面でも大きな痛手です。
店名(屋号)本記事を参照してください:屋号で商標登録するメリットや注意点を解説
商標登録では、「その名前をどんなサービスや商品に使うのか」を示す区分を指定します。この区分を間違えると、せっかく登録しても権利が守れないことがあるため、とても重要なポイントです。
サロン経営で特に関係する区分は次のとおりです。(※あくまで参考情報としてご覧ください)
● 第44類(サロンの運営など)
美容・理容・エステ・ネイル・マッサージなど、サロンのメイン事業に関わる区分です。
● 第3類(自社商品を販売する場合)
シャンプー、トリートメント、化粧品、まつ毛美容液など、自社ブランドの商品を販売する場合に必要とされています。
● 第35類(セレクトショップ・通販を行う場合)
他社製品を仕入れて、自社の店名を冠したショップとして販売する場合に必要です。
オンラインショップを運営する場合も対象になります。
● 第41類(スクール・セミナーを行う場合)
技術講習、セミナー、美容スクールなどを運営する場合に抑えておきたい区分です。
区分についての参照:商標登録の区分とは?45分類の商品・役務を一覧で解説
参考リンク:特許庁|日本における「類似群コード」について | 経済産業省 特許庁
① 「ありふれた名前」は登録しづらい
「銀座美容室」や「カット専門店」のように、地名やサービス内容をそのまま表しただけの名前は、商標として認められにくい傾向があります。できるだけ独自性のある名前や造語にしたり、ロゴデザインと組み合わせて登録を検討することが大切です。
② 出願前の「事前調査」をしっかり行う
申請から登録までは、現在おおよそ6ヶ月〜1年ほどかかります。審査で不登録となっても申請料は戻ってこないため、「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」で、似た商標がすでに出願・登録されていないか、事前にしっかり確認しておくことが重要です。
③ 「先願主義」=早い者勝ちであることを意識する
商標は「先に出願し登録した人」に権利が認められる仕組みです。サロンオープン後に商標出願について、ゆっくり考えるのではなく店名が決まったタイミングやロゴが完成したタイミングを意識するとよいでしょう。
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