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#商標の基礎知識

ネット広告やSNS・動画・ブログ上で商標を使う場合の注意点

公開日:

2026/09/29

更新日:

2026.09.29

近年は、企業だけでなく個人でも、SNSやYouTubeなどの動画、ブログを使って商品やサービスの情報を発信する機会が増えています。その際、他社の商品名やブランド名、ロゴといった商標を掲載したり、口にしたりする場面は少なくありません。特に、商品を紹介する投稿や広告、アフィリエイト記事などでは、他社の商標に触れることが避けられない場合もあります。

商標は法律で保護された権利であるため、使い方によっては、思わぬトラブルや商標権侵害につながることもあります。ここでは、ネット広告やSNS・動画・ブログ上で商標を使う場合に、どのような点に注意すべきかを、具体例を交えながらわかりやすく解説します。

ネット上での使用も商標の使用に含まれる

まず前提として、商標法上の商標の使用には、インターネット上での行為も含まれます。具体的には、商品や役務(サービス)に商標を付して販売・提供する行為のほか、商標を付した広告や価格表、取引書類をネット上で提供・表示する行為なども使用に当たります。

つまり、Webサイトやネット広告、SNSの投稿、動画、ブログといったオンライン上の発信も、商標を使う場として例外ではありません。実店舗や紙媒体と同じように、他人の登録商標を無断で使用すれば商標権侵害となる可能性があるという点を、まず押さえておく必要があります。

侵害になるかどうかは商標的使用かで決まる

もっとも、他社の商標が文章中に登場したからといって、そのすべてが商標権侵害になるわけではありません。ポイントは、その商標が商標的使用(自他の商品・役務を区別し、出所を表示するための使用)に当たるかどうかです。

商標は、自社の商品やサービスを他社のものと区別するために使われるものです。そのため、需要者がどこの会社の商品・サービスかを認識できるような態様で使っていなければ、商標としての機能を果たしているとはいえず、商標権の効力は及びません(商標法第26条第1項第6号)。

例えば、記事の中で「◯◯社の△△という商品を紹介します」と、単に商品を指し示す目的で名称に触れる場合や、「当社製品は△△に対応しています」と互換性を説明するために名称を挙げる場合などです。
一方で、他社のブランド名を、あたかも自社の商品・サービスの目印であるかのように使えば、商標的使用となる可能性があります。

また、注意したいのは、まったく同一の商標でなくても、似ている(類似する)商標を同一・類似の商品やサービスに使えば、商標権侵害に当たる可能性があるという点です。
さらに、その商標が登録されていることを知らなかったとしても、無断で使用していれば差止めや損害賠償の対象となり得ます。ネット上で使う名称やロゴが、他人の登録商標と同一・類似でないかを、事前に確認しておくことが重要です。

参照:商標権侵害とは?事例や警告を受けた場合の対処方法について

商標を使うシーン別の注意点

商品・サービスのレビューや紹介

他社の商品を紹介・レビューする際に、その商品名やブランド名に言及すること自体は、商品を特定するための説明的な使用であり、直ちに問題となるわけではありません。ただし、事実と異なる説明で他社の信用を傷つけたり、あたかも公式・提携しているかのような誤解を与えたりする表現は避けるべきです。

比較広告で他社商標を使う場合

自社製品の優位性を示すために、他社商品と比較する「比較広告」で他社の商標に触れることがあります。他社を特定するための使用は直ちに違法とはいえませんが、内容が客観的な事実に基づかない場合には、不正競争防止法や景品表示法上の問題(不当表示など)を生じるおそれがあります。比較の根拠となるデータや出典を明確にしておくことが大切です。

ハッシュタグに商標を使う場合

集客のために、自社の商品と関係のない有名ブランド名を、ハッシュタグ(例:#ブランド名)として付けるケースがあります。無関係な商品の販売や集客のために他人の著名な商標をハッシュタグとして使うと、出所の混同を招くものとして商標権侵害や不正競争に当たると判断される可能性があるため、安易な使用は避けるべきです。

動画のタイトルやサムネイルに使う場合

動画のタイトルやサムネイルに他社の商標を入れると、視聴者の目に留まりやすくなります。内容を説明するために名称を用いる程度であれば問題になりにくいものの、そのブランドの公式動画であるかのように見せかけたり、視聴回数を稼ぐためだけに無関係なブランド名を並べたりすると、出所の混同や不当表示につながるおそれがあります。

リスティング広告のキーワードに使う場合

検索連動型のリスティング広告で、他社の商標を検索キーワードとして設定する手法があります。キーワードとして購入すること自体は直ちに侵害とはいえないと考えられていますが、広告の見出しや本文に他社商標を表示し、あたかも自社が当該ブランドであるかのような誤認を与える場合には、侵害や不正競争のリスクが高まります。

ロゴやキャラクターを使う場合

他社のロゴやキャラクターには、商標権だけでなく著作権も生じている場合があります。そのため、たとえ商標的使用に当たらない場面であっても、無断で複製・掲載すると著作権侵害となる可能性があります。ロゴやキャラクター画像を使う際には、権利者の許諾を得るなど、より慎重な対応が必要です。

さんロゴ商標の出願・登録ガイド  商標検索から出願書類、費用について解説

参照:ロゴ商標の出願・登録ガイド  商標検索から出願書類、費用について解説

PR・アフィリエイト投稿では表示のルールにも注意

商標そのものの問題に加えて、SNSやブログで商品を紹介する場合には、表示のルールにも注意が必要です。事業者から依頼や対価を受けて宣伝しているにもかかわらず、それを隠して一般消費者の感想を装う、いわゆる「ステルスマーケティング」は、景品表示法上の不当表示として規制の対象になります。広告・PRであることが分かるように明示するなど、誠実な表示を心がけましょう。

自社の商標が無断で使われていないかもチェック

ネット上では、自社の商標が第三者に無断で使われてしまうこともあります。放置すると、他人の商標として消費者に認識されてしまうおそれもあるため、定期的に検索するなどして、無断使用がないかを確認することも有効です。

また、自社の商標を使用する際には、®やTMといったマークを付すことで、商標であることをアピールできます。「®」は「Registered(登録済み)」の頭文字で、特許庁への登録が完了した登録商標に付すマークです。一方の「TM」は「Trademark(商標)」の略で、登録の有無にかかわらず「商標として使用している」ことを示すために用いられ、未登録の商標にも使えます。このうち®は、登録されていない商標に付すと虚偽表示となるおそれがあるため、登録が完了した商標にのみ使うよう注意しましょう。

参照:個人事業主・フリーランスの商標登録の必要性

ネット上での商標使用はルールを踏まえ、不安なときは専門家に相談を

ネット広告やSNS、動画、ブログでの発信は、実店舗や紙媒体と同じく商標の使用の場となり得ます。

他社の商標に触れること自体が直ちに問題となるわけではありませんが、商標的使用に当たる使い方や、誤認を与える表現、著作権が関わるロゴ・キャラクターの利用、さらには広告表示のルールなど、注意すべき点は少なくありません。判断が難しいケースも多いため、心配な場合は、弁理士などの専門家に事前に相談されることをおすすめします。

GVA 商標登録を使って自分で商標出願された事例

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