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立体商標とは?事例や他の商標との...

#商標の種類・具体例

立体商標とは?事例や他の商標との違いを解説

公開日:

2026/01/19

更新日:

2026.06.30

立体商標とは、立体的な形状(三次元のフォルム)そのものを商標として保護する仕組みで、日本では1996年の商標法改正により正式に認められました。通常の商標が文字やロゴといった平面的なデザインを対象とするのに対し、立体商標は「商品の外観そのもの」や「特徴的な包装の形」、「キャラクターの形をした立体的な看板や人形」など、立体的な形状全体が保護の対象となります。そして、その形状を見ただけで「あの会社の商品だ」と消費者が識別できる場合に、商標として成立します。

1. 立体そのものがブランドを語る

私たちは、ロゴや色だけでブランドを判断しているわけではありません。たとえば、「独特の丸みを帯びたボトルの形」や「一目で分かるお菓子のパッケージのフォルム」、さらには「キャラクターの形をした立体的な看板」など、形そのものを見るだけで、多くの人は瞬時に“あのブランドだ”と気づきます。
つまり立体商標は、平面的なデザインではなく、“形そのものが放つブランドらしさ”を守るための仕組みと言えるのです。

2. 立体商標の具体例

私たちの身の回りには、実はたくさんの立体商標が存在しています。形そのものがブランドの象徴として機能している、分かりやすい例を紹介します。

① 商品の容器・パッケージの形状(ヤクルト)

登録5384525号  株式会社ヤクルト本社

真ん中にくびれのある特徴的なプラスチック容器。

ラベルを剥がしても 「あの飲み物だ」 と分かるほど強い識別力を持つため、立体商標として登録されています。(※画像は複数枚あるうちの1つ)

② 食品そのものの形状(きのこの山・たけのこの里)

登録6031305号   登録6419263号  株式会社明治 

それぞれ独自の造形がブランドの象徴に。

食品そのものの形がブランドを示すケースも、立体商標の代表例です。(※画像は複数枚あるうちの1つ)

③ 乗り物や建物の形状(スーパーカブ)

登録5674666号 本田技研工業株式会社

バイクそのものの形状が立体商標として登録。

工業製品の形がそのまま商標になるのは非常に珍しく、大きな話題になりました。

(※画像は複数枚あるうちの1つ)

3. 他の権利との違い

立体商標を理解するうえで、特に 意匠権との違いを理解することが、重要です。

それぞれの目的や審査基準が異なるため、どの権利で守るべきか判断する際のポイントになります。

① 意匠権との違い

・目的の違い

意匠権―新しく優れたデザインそのものを保護する制度。

立体商標―その形が「どこのブランドか」を示す 目印(識別標識) を保護する制度。

・保護期間の違い

意匠権―登録から最長25年で終了。

立体商標― 10年ごとの更新を続ければ、半永久的に権利を維持可能。

審査のポイントの違い

意匠権―「これまでにない新しい形か」が問われる。

立体商標―「その形を見るだけでブランドが分かるか(識別力)」が問われる。

同じ“形”を扱う制度でも、守る目的がまったく違うのが特徴です。

② 文字・図形商標(平面)との違い

平面商標が紙に書かれたロゴや文字などの平面的なデザインを保護するのに対し、立体商標はボトルや看板、商品そのものといった奥行きのある3D形状を対象とします。形そのものがブランドの象徴として機能している場合に活用される仕組みで、立体的なフォルムが「そのブランドらしさ」を直接伝える点が特徴です。

③ 位置商標との違い

位置商標は「マークをどこに付けるか」という場所を、立体商標はポケットの形のように形そのものを守る制度で、同じ商品でも 守りたいのが位置なのか形なのか によって選ぶべき権利が変わります。

4. 立体商標として認められるための高いハードル

立体商標は、文字やロゴに比べて 登録のハードルが非常に高いことで知られています。その理由は、形そのものを独占することになるため、慎重な審査が行われるからです。特に次のポイントが重要になります。

① 単なる「機能的な形状」は登録できない

持ちやすさ・積み重ねやすさ・強度など、

機能を果たすために当然必要とされる形状 は、誰もが自由に使えるべきものとされています。

例えば:持ちやすいように丸く設計されたボトル、滑りにくいように凹凸を付けたグリップなど。こうした形は「機能的形状」と判断され、一社が独占することは認められません。

② 「自他商品識別力」が必要

立体商標として認められるためには、その形を見ただけで消費者が

「この形は〇〇社の製品だ」と直感的に分かるレベルの識別力が必要です。つまり、形そのものがブランドの象徴として機能していることが求められます。

③ 長年の使用実績が求められることが多い

最初はただの形であっても、長年にわたって継続的に使用されることで、

「この形=あのブランド」という認知が育つ 場合があります。

この「使用による識別性」が認められたとき、初めて立体商標として登録されるケースが多いです。

5. 立体商標を登録するメリット

① 模倣品への強力な対策になる

ロゴや名前を変えていても、「形」そのものを真似した類似品は少なくありません。

立体商標として登録しておけば、こうした模倣に対して 商標権侵害として販売停止などを求めることが可能 になります。形を守れるという点で、非常に強力なブランド防衛手段です。

② ブランド資産を永久に守れる

意匠権は最長25年で保護期間が終了しますが、立体商標は 10年ごとの更新を続けることで半永久的に保護が可能です。

つまり、ブランドの象徴となっている 「形」そのものを一生守り続けられる という、大きなメリットがあります。

まとめ

立体商標は、企業のブランディングが、名前やロゴだけでなく、「プロダクトの形そのもの」にまで広がっていることを示す強力な権利 です。

登録までのハードルは高いものの、一度認められれば 長期にわたってブランドの独自性を守る強力な武器 になります。看板キャラクターや、長年愛されている商品パッケージなど、

形そのものがブランドの象徴になっている場合は、立体商標としての保護を検討する価値は十分にあります。

※商標登録を検討する際は、最新の審査基準を特許庁の情報で確認するか、弁理士などの専門家に相談することもおすすめします。

立体商標に関しては、こちらの記事も是非参考にしてください。

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