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#商標更新の方法・費用 の記事

商標登録を更新しなかった場合のデメリット・リスクとは? 

公開日:

2026/08/19

更新日:

2026.08.19

独立してから数年、会社員時代には自社製品の商標登録に関わった経験があっても、権利者として出願・維持していく立場になると、見え方が変わってきます。言われてみると気になるのが「更新」の仕組みです。10年という期間、場合によっては5年という区切りも耳にし、どちらを選ぶべきか、更新しなかった場合に何が起きるのかを整理しておきたい方もいると思います。本記事では、商標更新の制度と、更新しなかった場合のリスクについて解説します。

商標制度における更新とは?

商標権は、特許庁に設定登録された日から10年間存続します。これは商標法で定められた存続期間で、出願日ではなく「登録日」が起算点になります。10年が経過すると当然に権利が消えるルールになっており、権利を継続するのであれば、期間満了までに更新登録の申請を行う必要があります。

ここで重要なのが、更新登録料の納め方です。更新登録料は、10年分をまとめて一括で納付する方法と、5年ごとに2回に分けて分割納付する方法の、いずれかを選ぶことができます。

一括納付であれば10年間まとめて安心して権利を維持できますが、初回の負担は大きくなります。一方、分割納付を選ぶと、まず前期分の5年分だけを納付し、5年経過後に後期分の5年分を改めて納付する形になります。

ここで「短くても5年」という区切りが出てくるのは、分割納付を選んだ場合に、後期分の納付期限までに支払いをしなければ、その時点で権利が消滅してしまうためです。つまり分割納付は、10年間の権利を維持する前提でコストの支払いタイミングを分散させる制度であり、事業の状況を見ながら「5年時点で継続するかどうかを判断できる」という側面もあります。

商標更新にかかる費用(特許印紙代)

更新にかかる金額の目安としては、2026年時点でおおむね1区分あたり、一括納付の場合は4万円台前半、分割納付の場合は前期・後期それぞれ2万円台前半(合計すると一括よりやや割高)となります。区分数が増えるほど費用も比例して増えます。

特許庁からは満了前に更新の案内が届くわけではないため、自社で存続期間満了日を管理しておく必要があります。特許権のように出願から20年で消滅する制度とは異なり、商標権は期限内に更新を続ける限り、半永久的に権利を維持できるのが大きな特徴です。ブランドを長く育てていく前提であれば、更新を続けることでその価値をそのまま権利として守り続けられます。

参照:商標の更新・変更にかかる費用はいくら?

更新しなかった商標はどうなる?

更新の申請を存続期間満了前6ヶ月から満了日までの間に行わなかった場合でも、すぐに権利が消えるわけではありません。商標法には救済措置があり、存続期間満了後6ヶ月以内であれば、通常の更新登録料の倍額を納付することで更新申請をすることが可能です。

問題は、この追納期間である満了後6ヶ月も過ぎてしまった場合です。この場合、商標権は存続期間の満了時にさかのぼって消滅したものとみなされます。つまり、満了日以降は保護されない状態が続いていたことになり、権利の復活は認められません。たとえ同じ商標を使い続けていても、法的な独占権としての商標権はなくなります。

権利が消滅すると、同一の商標・同一の区分について、他社が新たに商標出願をして登録を受けることが可能になります。商標は先願主義(早い者勝ち)が原則のため、消滅した商標に価値があると判断されれば、競合他社や第三者が出願することも可能ではあります。

ここで注意したいのは、あくまで「同じ区分」が対象になるという点です。商標登録は、指定した商品・役務の区分ごとに権利が発生する仕組みになっており、更新しなかった区分についてのみ権利が消滅します。たとえば複数区分で登録していた商標のうち、一部の区分だけ更新をしなかった場合、その区分については誰でも出願できる状態になりますが、更新を続けた区分については引き続き自社の権利として保護されます。

参照:商標権の期限・耐用年数について解説

コスト削減が理由の場合は区分数を変えるなども有効

一方で、事業のフェーズが変わり、当初想定していた区分の一部を使わなくなった、あるいは更新費用自体を見直したいという理由から、更新を迷うケースも実際にはあります。このような場合、「更新するかしないか」の二択で考える必要はなく、更新のタイミングで区分数を見直すという選択肢も有効です。

商標の更新登録は、登録済みのすべての区分について一括で行う必要はなく、事業で実際に使っている区分や、今後使う見込みが高い区分だけを選んで更新することができます。使う予定のなくなった区分を更新対象から外せば、その分だけ更新登録料を抑えることができ、区分数に応じて費用が加算される仕組みである以上、コスト削減効果は明確です。

もちろん、更新対象から外した区分については権利が消滅するため、理論上は第三者がその区分で同じ商標を出願・登録できる状態になります。ただし、自社が今後もその区分で事業を展開する予定がなく、明らかに不要と判断できるのであれば、実質的な影響は限定的といえるでしょう。反対に、将来的な事業拡大の可能性が少しでも残っている区分については、更新費用がかさんだとしても維持しておく方が、後々の選択肢を狭めずに済みます。

自社ブランドを冠したサービスをこれから育てていくフェーズでは、商標は事業の看板であると同時に、将来の資産にもなり得るものです。更新の要否は費用だけで判断するのではなく、ブランドの成長段階や今後の展開可能性まで見据えて検討することが望ましいでしょう。判断に迷う場合は、区分の絞り込みも含めて専門家に相談しながら進めることをおすすめします。

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