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#商標の基礎知識

アパレル・ファッション関連の商標出願における注意点・区分の選び方

公開日:

2025/11/18

更新日:

2026.06.30

アパレル・ファッション業界において、ブランド名やロゴはまさに企業の「顔」であり、消費者の購買意欲を左右する重要な要素です。トレンドの移り変わりが激しく、デザインの模倣リスクも高いこの業界で、自社のブランド資産を守り、競合との差別化を図るためには、商標登録が不可欠となります。

しかし、商標出願において「区分」の選定は、出願費用を抑え、他社による権利侵害のリスクを回避するために重要であり、戦略的な判断が求められます。

本記事では、アパレル・ファッション関連の商標出願における主要な注意点と、事業内容に合わせた区分の選び方について詳しく解説します。

なぜアパレル業界で商標出願が重要なのか

1,ブランド保護と信用維持

自社のブランド名やロゴを商標登録することで、他社による無断使用や模倣を防ぎ、ブランドの信用とイメージを守ることができます。模倣品が流通すると、消費者の信頼を損ない、売上にも悪影響を及ぼしかねません。

2,独占的な使用権の確保

商標権は、登録された商標を特定の「商品」や「サービス」に対して独占的に使用できる権利です。これにより、安心して事業を展開し、ブランド価値を高めるための投資を行うことができます。

3,将来の事業展開を見据えた戦略

商標権は、将来的に商品ラインナップを拡大したり、海外進出をしたりする際の強力な武器となります。事前に適切な範囲で権利を確保しておくことが、事業成長の基盤となります。

アパレル・ファッション関連の商標出願における注意点

ネーミングとロゴの選定――識別力のある商標を選ぶ

  • 「Tシャツ」「おしゃれな服」のように、商品の名称や性質を直接的に表す言葉は、一般的に誰でも使えるべきであるため、商標登録が難しいです。(普通名称・記述的商標は避ける)

  • 「ユニクロ」「H&M」のように、造語や商品・サービスの内容を連想させる程度に留まる暗示的な名称が、登録されやすく、かつ強力なブランドとなります。(識別力のある造語や暗示的な言葉を)

  • 商標出願を行う前に、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat URL:https://www.j-platpat.inpit.go.jp/)

    などで、同一又は類似の商標が既に登録されていないか、必ず調査を行いましょう。既存の商標と類似していると、自社の商標出願が登録されないだけでなく、他社の権利を侵害してしまうリスクもあります。(事前の類似調査の徹底)

 保護対象の明確化――文字か、図形か、結合か

  • 文字商標: ブランド名のみ(例: UNIQLO)

  • 図形商標: ロゴマークのみ(例: NIKEのスウッシュ)

  • 結合商標: ブランド名とロゴマークを組み合わせたもの。
    多くの場合、ブランド名とロゴマークは一体となってブランドイメージを形成するため、結合商標として出願することを検討してみてもよいかもしれません。

しかし、ブランド名のみ、ロゴマークのみで将来的に使用する可能性があれば、費用は増えますがそれぞれ単独で出願することも有効です。

意匠権との連携――デザインも保護する

商標権はブランド名やロゴマークを保護するものですが、服のデザインそのもの(形状、模様、色彩など)は「意匠権」で保護されます。アパレル製品のデザインは非常に重要であるため、ブランド名・ロゴは商標権で、特徴的なデザインは意匠権で、と多角的に権利保護を図ることを推奨します。

区分の選び方――事業内容に合わせた適切な選定

商標出願では、商標を使用する「商品」や「サービス」を、特許庁が定めた国際分類(第1類〜第45類)の中から指定する必要があります。アパレル・ファッション関連でよく利用される区分とその指定商品・役務の例を見ていきましょう。

アパレル・ファッション業界で主要な区分

アパレル業界で最も基本となる商標区分は「第25類」です。この区分には以下のような商品が含まれます。

第25類:被服及び履物など
指定商品の例

  1. 被服(Tシャツ、ズボン、スカート、コート、セーター、パジャマ、下着、靴下、帽子、和服など)

  2. ガーター 靴下留め ズボンつり バンド ベルト

  3. 履物(靴類、げた、草履類など)

  4. 仮装用衣服(仮装舞踏会等で着用する衣服)

  5. 運動用特殊靴(専らスポーツをする際に限って使用する特殊な履物(乗馬靴やウインドサーフィン用シューズは除く))

  6. 運動用特殊衣服(専らスポーツをする際に限って使用する特殊な衣類(水上スポーツに使用される衣服は除く))

第18類:革及びその模造品、旅行用品並びに馬具など
指定商品の例

  1. かばん類(ハンドバッグ、リュックサック、トートバッグなど)

  2. 袋物(財布、名刺入れ、カード入れ、キーケースなど)

  3. 旅行用品(旅行用トランク、スーツケースなど)

  4. 傘(折り畳み式傘、日傘、洋傘など)

第14類:貴金属、貴金属を被覆した商品、宝飾品及び時計など
指定商品の例

  1. ネックレス、指輪、ピアス、ブレスレット

  2. 腕時計、懐中時計

  3. カフスボタン、ネクタイピン

  4. キーホルダー用チャーム、宝飾品用チャーム

第35類:小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供
指定商品の例

  1. 広告業(小売店の看板、ホームページのタイトル)

  2. 事業管理(商取引の受注管理)

  3. インターネットによる通信販売業務(セレクトショップ、ECサイトなど)

第3類:洗浄剤及び化粧品など
指定商品の例

  1. 化粧品、香水、シャンプー

第9類:視覚用装置など
指定商品の例

  1. 眼鏡、サングラス、コンタクトレンズ

  2. 眼鏡用容器

第40類:物品の加工サービスなど
指定役務の例

  1. 裁縫・刺繍(被服の仕立て・加工・修理など)

第42類:ファッションデザイン・開発など
指定役務の例

  1. ファッションデザインの考案など

区分の選び方のポイント

  • 現在の事業内容を網羅する――まずは、現時点で販売している全ての関連商品・サービスをカバーする区分を指定します。

  • 将来の事業展開を見越す――5年後、10年後に展開する可能性のある商品カテゴリーやサービスも考慮に入れましょう。例えば、今は服しか売っていなくても、将来的に香水やバッグも手掛ける可能性があれば、最初から第3類や第18類も指定することを検討します。

  • 費用とのバランス――指定する区分や商品の数が増えるほど、出願費用や維持費用は高くなります。予算と将来性を考慮し、優先順位を付けて戦略的に選択することが重要です。

  • 指定商品は具体的に――「被服」だけでは網羅性が不安な場合、代表的な商品(例: Tシャツ、ジーンズ、コート)を列挙することで、より明確な権利範囲を確保できます。

まとめ

ブランドを守るための早期出願

アパレル・ファッション業界における商標権は、ブランドの価値を守り、成長を加速させるための重要な「盾」となります。魅力的なブランドを創造したら、それが真似されないよう、速やかに商標出願を行いましょう。

特に区分の選定は、将来の事業展開を大きく左右するため、現在の事業はもちろん、将来のビジョンも踏まえて慎重に行う必要があります。少しでも不安がある場合は、専門家である弁理士に相談することをお勧めします。専門知識を持つ弁理士は、適切な区分選定や類似調査、出願手続き全般をサポートし、貴社のブランド資産を保護するための戦略を提案してもらえるでしょう。

下記、記事にも区分について詳しく説明していますので、ご参照ください。

商標登録の区分とは?45分類の商品・役務を一覧で解説

https://tmlp.ai-con.lawyer/articles/yGI-I75W

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