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これは商標登録できる?イラスト、...

#商標の種類・具体例

これは商標登録できる?イラスト、ブランド名、写真、ハンドメイド商品、キャラクター、店名、会社ロゴ、etc・・・ 

公開日:

2025/12/24

更新日:

2026.06.30

「知り合いの社長が、商品名を商標登録していなかったせいで、他社から警告を受けてブランド名を変更することになったそうなんです・・・」

起業準備中の方や、個人事業主として活動を広げている方の中には、そんな話を耳にしたことがあるかもしれません。自分のビジネスを守るために商標登録が必要だとは分かっていても、そもそも「何が」商標登録の対象になるのか、予備知識がないと判断が難しいものです。

「ロゴは登録できそうだけど、キャラクターは? 店名は? 人の名前は?」商標登録に際して、何を守るべきかを正しく理解することは、ブランドを守るための第一歩です。

この記事では、これから商標登録を検討している方に向けて、商標にはどのような種類があるのか、そして具体的にどのような商標として登録可能なのかを、実例を交えて詳しく解説します。

商標のおもな種類

商標というと、多くの人がブランドの「ロゴマーク」や「商品名」を思い浮かべるでしょう。しかし、日本の商標法では、ビジネスの識別標識となり得るさまざまなものが保護の対象となっています。

まずは、商標法で定められている主な商標の種類を整理してみましょう。大きく分けると、従来からある「伝統的な商標」と、平成27年(2015年)の法改正で導入された「新しいタイプの商標」があります。

伝統的な商標

私たちが日常でもっとも頻繁に目にするのがこのカテゴリーの商標です。

  • 文字商標
    文字のみで構成される商標で、ブランド名、商品名、社名、サービス名などが該当します。ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベット、数字などを組み合わせて登録します。特定のフォントデザインを持たない「標準文字」として登録する場合と、独自のデザイン文字(ロゴタイプ)として登録する場合があります。

  • 図形商標
    イラストやロゴマークなど、図形のみで構成される商標です。写実的な絵画から抽象的な幾何学模様まで幅広く含まれます。文字を含まず、ビジュアルだけでブランドを識別させるものです。例としては、スポーツブランドのシンボルマークなどがあります。

  • 記号商標
    文字や図形とは異なる「記号」で構成される商標です。暖簾(のれん)記号や、特殊な紋章、家紋などが該当します。

  • 立体商標
    平面ではなく、3次元の立体的形状からなる商標です。特徴的な形状の容器(ヤクルトの容器やコカ・コーラの瓶など)、キャラクターの立像(不二家のペコちゃん人形やケンタッキーのカーネルおじさんなど)があります。商品そのものの形状であっても、それが長年の使用によって「あのお店のものだ」と誰もが分かるレベルになっていれば商標として認められるというものです。

  • 結合商標
    複数の要素を組み合わせたものです。「文字+図形」「文字+記号」のように、ロゴマークとブランド名をセットで登録する場合は、この結合商標として扱われることが一般的です。

新しいタイプの商標

ビジネスの多様化に伴い、視覚的な形状以外でもブランドを識別できる要素が商標として認められるようになりました。

  • 音商標
    CMや商品の起動音などで使われる「音」です。メロディ、ハーモニー、あるいは人の声などが対象です。例としては久光製薬の「ヒ・サ・ミ・ツ♪」、インテルのサウンドロゴなどがあります。

  • 色彩のみの商標
    図形や文字を含まず、単色または複数の色の組み合わせだけで構成される商標です。ただし、単なる色は誰でも使うものなので、登録のハードルは非常に高いのが特徴です。知名度の高い例がほとんどで、トンボ鉛筆の「青・白・黒」の消しゴムスリーブの配色、セブン-イレブンの看板の配色などがあります。

  • 位置商標
    図形等を商品等の「特定の位置」に付すことで識別力を持たせた商標です。例としては、日清食品のカップヌードルのパッケージ上下にある「金色の帯」のデザインがあります。

  • 動き商標
    テレビやPC画面上に表示される文字や図形が、時間の経過とともに変化する「動き」そのものを保護する商標です。映画配給会社のオープニングのロゴアニメーションなどの例があります。

  • ホログラム商標
    見る角度によって変化して見える文字や図形(ホログラム)です。クレジットカードの偽造防止マークや、商品パッケージの真正性証明シールなどで使われます。

参考リンク:商標の種類と利用目的 ・具体例を解説

       トレードマークとは ? 種類の解説と有名な例を紹介

これは商標登録できる?商標の種類は?

前章では商標の種類を網羅的に解説しましたが、実際に皆さんが登録しようとしているものが「どれに該当するのか」を判断するのは少し難しいかもしれません。

個人事業主や起業家の方がよく迷うケースから、それが商標登録できるのか、どの種類で出願すべきかを解説します。

イラスト

【登録可ー図形商標】 自筆のイラストや、デザイナーに依頼して作成したシンボルマークは、「図形商標」として登録可能です。 例えば、カフェのカップに印刷しているコーヒー豆を模したオリジナルキャラクターの絵などは、これに該当します。ただし、フリー素材など「他人が著作権を持つイラスト」を勝手に商標登録することはできません。(商標法第4条第1項第11号や15号、あるいは公序良俗違反などに抵触するため。)

 写真

【登録可ー図形商標】 意外に思われるかもしれませんが、写真も「図形商標」の一種として登録できる場合があります。 例えば、実写の人物写真や風景写真をパッケージのメインビジュアルとして使う場合などです。

ただし、「ありふれた風景」や「一般的な人物写真」は、他の写真と区別しにくく 識別力が弱い と判断され、拒絶されやすくなります。一方で、特徴が強すぎる写真は、今度はその「具体的すぎる部分」に権利が縛られてしまい、権利範囲が極端に狭くなる という別の問題が生まれます。こうした理由から、写真をそのまま商標にするケースは実務上あまり多くありません。多くの場合は、写真をベースに ロゴ化(イラスト化)して識別力を高める という方法を選びます。

ブランド名(屋号・商品名)

【登録可ー文字商標】 もっとも基本的かつ重要なのがこのタイプの商標です。あなたが考えたオリジナルのブランド名や商品名は、「文字商標」として登録します。 ひらがな、カタカナ、漢字、ローマ字のいずれでも可能です。「Apple」と「アップル」のように、読み方が同じでも表記が違うものをどう扱うかは検討が必要ですが、基本的にはネーミングそのものを守るための手続きです。

氏名(自分の名前・芸名)

【条件付きで登録可ー文字商標】 氏名を商標として登録すること自体は可能ですが、実際にはいくつかのハードルがあり、特に同姓同名の存在が大きな障壁となってきました。ただ、2024年4月の法改正によって状況は変わり、本人の氏名であれば一定の条件を満たすことで、以前よりも登録が認められやすくなっています。

従来の制度では、同姓同名の他人が日本に一人でもいれば、その全員の承諾が必要とされていたため、たとえ自分自身の名前であっても商標登録が難しい状況が続いていました。これに対し、2024年4月以降の新しいルールでは、政令で定められた条件を満たすことで、同姓同名の他人の承諾がなくても登録できるようになり、自分のフルネームで、かつ他人の氏名として広く知られていない場合には、登録のハードルが大きく下がりました。

ただし、ありふれた氏名は識別力が弱いと判断されることがあり、別の理由で登録が難しくなる可能性があります。また、自分以外の他人の氏名を含む商標は原則として本人の承諾が必要で、有名人の名前を無断で利用することを防ぐための仕組みでもあります。デザイナー名など個人名ブランドが増えているものの、フルネームでの登録には依然として慎重な検討が求められます。

さらに、商標登録を行うと権利者情報が公開されるため、個人事業主の場合は自宅住所が表示される可能性がある点にも注意が必要です。

旧(2024年3月まで) 同姓同名の他人が日本に一人でもいれば、その全員の承諾がないと登録できませんでした。そのため、本人の名前でも登録が非常に困難でした。

新(2024年4月〜) 一定の条件(政令で定める要件)を満たせば、同姓同名の他人の承諾がなくても登録できるようになりました。

ポイント 「自分の氏名(フルネーム)」であり、かつ「他人の氏名として広く認識されていない(有名人と被っていない)」などの条件を満たせば、登録のハードルがぐっと下がりました。

参照:特許庁|第6章 他人の氏名を含む商標に係る登録拒絶要件の見直し (PDF)

ハンドメイド商品

【商品そのものは不可ー(ブランドは可)文字商標・図形商標】 「ハンドメイドで作ったバッグのデザイン」そのものを商標登録することは原則できません(※商品の形状が極めて特徴的で、長年の使用によりブランド識別機能を持つに至った「立体商標」の例外を除きますが、ハードルが高い)。商品のデザインや形状を守りたい場合は、商標ではなく「意匠登録」を検討する方法もあります。

キャラクター

【登録可ー図形商標・文字商標・立体商標】 キャラクタービジネス展開を考えているなら、商標登録は必須です。

  • 絵柄:キャラクターのイラストは「図形商標」として登録します。

  • 名前:キャラクターの名称は「文字商標」として登録します。

  • 人形・フィギュア:フィギュアなどとして販売する場合、「立体商標」も考えられますが、まずは図形と文字での保護が一般的です。

店名(店舗名)

【登録可ー文字商標・図形商標】 「カフェ 〇〇」や「美容室 △△」といった店名は登録できます。 よくある誤解として、「税務署に開業届を出した」「法務局で会社登記をした」から大丈夫だと思っている方がいますが、これらは商標権とは全く別物です。登記された商号であっても、他人が先に商標登録していれば、看板を外さなければならなくなるリスクがあります。

会社やサービスのロゴ

【登録可ー図形商標・結合商標】 会社のロゴマークは、企業の顔です。

  • シンボルマーク単体なら「図形商標」。

  • 社名とシンボルマークを組み合わせたデザインなら「結合商標」。 どちらで登録すべきかは、使い方の実態によります。ロゴと社名を常にセットで表示するなら結合商標でコストを抑えられますが、ロゴ単体(アイコンなど)で使う機会が多いなら、分けて登録したほうが使い勝手が良いかもしれません。

基本となるのは文字商標

さまざまな種類の商標を見てきましたが、もし「予算が限られている」「まずは最低限の守りを固めたい」と考えるなら、まずは「文字商標」の登録を検討するのがおすすめです。

なぜなら、文字商標はもっともカバーする範囲が広く、汎用性が高いからです。

デザイン変更に強い

例えば、凝ったデザインのロゴマーク(図形商標)だけを登録していたとします。数年後、リブランディングでロゴのデザインをリニューアルした場合、古いロゴでの商標権は新しいロゴには及ばない可能性があります。ブランド名の「文字」そのものを標準文字で登録しておけば、ロゴのデザインが変わっても、フォントが変わっても、呼び名(ネーミング)が変わらない限り、権利は守れます。

検索対策しやすい

インターネット上での模倣品対策においても、文字商標は強力です。ECサイトや検索エンジンにおいて、他社があなたのブランド名を勝手にキーワードとして使用している場合、文字商標権を持っていれば、商標権侵害として申し立てを行いやすくなります。

出願する順番の例

もちろん、特徴的なロゴマークがあるなら、文字とロゴの両方を取得するのがベストです。しかし、創業時や個人事業で予算が厳しい場合は、以下のようなステップを考えると良いでしょう。

  1. 最優先: ブランド名(屋号・サービス名)を「文字商標」で登録し、名前の使用権を独占する。

  2. 次点: ロゴマークが完成し、デザインが確定した段階で「図形商標」または「結合商標」を追加する。

  3. 発展: 事業が拡大し、キャラクターやジングル(音)などがブランド資産として育ってきたら、それらも追加登録する。

登録できないリスクを避けるために

商標登録は「早い者勝ち」の制度です。あなたがどれだけ長くその名前を使っていても、他人が先に登録してしまえば、原則としてあなたが名前を変えなければなりません。

「自分のビジネスで使っているアレは、商標になるのかな?」 「文字だけでいいのか、ロゴも入れたほうがいいのか?」迷ったときは、自己判断で出願して失敗(拒絶)されるリスクを避けるためにも、専門家の知見を借りるのも有効です。

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